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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「自慢できない武ユウ伝?」
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けた道を通り、店の扉を開ける青年。
不良を動かしたのは本能に沁みついた「先輩に逆らってはいけない」という序列に対する強迫観念だった。かくして青年―――駅河中学校3年生『残間結章』は不良のたまり場へと足を踏み入れて行った。
後にその不良は自分が恐怖した先輩の正体を知り、卒倒することとなる。
〜
昨今の不良は女子が増加傾向にある。実際店内のメンツの半数は女子である。
それは何故かというと、いつの時代も
多数派
(
マジョリティ
)
を嫌い
少数派
(
マイノリティ
)
を選びたがる反骨精神旺盛な若者たちが「女尊男卑」を何となく気に食わないと考えたせいである。
女尊男卑が女性達にもたらしたのは何もいい事ばかりではない。いわゆる「女はこうあるべき」という社会的な風潮がやたらと広がり始めたのだ。それはやがて「男尊女卑」の男女が入れ替わったような成長性の無い内容へと変わっていき、全く根拠のない勝手な風潮に女性が引っ張られ始めた。
男尊女卑とて男性の中に「それはおかしい」と考える人がいたのだから、当然女性にも同じ考えの人が現れる。そしてそれが喧嘩しているのを見た若者たちがマイノリティに流れ始めた結果が不良女子の増加だった。最近は全国で非行少年(無論男女含む)の増加が社会問題になりつつある。
不良女子は全体的に男女平等を正しい在り方と考えていることが多い。社会の歪みと呼ばれる彼女たちが実は一番まともな考えを持っているとは皮肉な話である。
そしてユウはその甘いマスクと腕っぷしから妙に不良女子に好かれているわけで。
「ユウさん!!何よ何々?超久しぶりじゃないですかぁ!!」
「ユウさんちーっす!!」
「お久しぶりです、先輩!!この紅茶どうぞ。安物の上に飲みかけですけど」
「止めーや馬鹿たれ!さり気に間接キスを狙おうとするんじゃないわよ!!」
「久しぶり、とは言っても学校で会ってるメンツもいるけどね」
こうなる訳である。あはは、と苦笑するユウに近づいてくる後輩たち。男子で寄ってきているのもいるのだが、女子連中のエネルギーに押されて後方へ追いやられている。さながら韓流スターを追いかけるおばちゃまたちの如く。口に出したらリンチ確定だが。
「おい、あれ・・・」
「ユウって言えばあの・・・!?」
「馬鹿、敬語をつけろよデコ助野郎!」
「ナマで見るの初めてだけど・・・正直想像できんなぁ」
「何で同じ男なのにあんなにモテるんだ・・・くやしいのう、くやしいのう・・・」
その他の親しくない方々は尊敬若しくは畏怖の目でユウを見る不良たち。約一名殺気と怨念の篭った目でハンカチを噛んでいるが気にしてはいけない。
〜
さて、そろそろ何故ユウがこんな不良のたまり場に来たのかを説明しておこう。
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