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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「自慢できない武ユウ伝?」
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これは一夏とユウが藍越学園入試に行く数か月前のお話。
そこは町はずれにある薄汚れた娯楽店。地元学校の元不良OBが経営しており、ビリヤードやらパチスロやらゲーセンで子供がするには少々早そうなものが置かれている。店は実質町の不良たちが占拠している状態であり溜まり場となっている。そのお仲間以外は決して近寄ろうとはしないであろうそこに足を踏み入れる一人の青年の姿があった。
少々童顔で茶色がかった髪、身に着けているのはその町の学校である「駅河中学校」の制服。ただしそこいらの不真面目な生徒とは違いボタンはきっちりすべて留めてあるしズボンも裾を引きずらない普通の長さにそろえてある。制服の改造も奇抜なベルトも付けていなければピアスをしているわけでもない、どう見てもこの場所には不釣り合いな真面目そうな青年だった。
入口で友人と駄弁りながら煙草をふかしていた不良の一人がその少年の存在に気付き、その進行を妨げるように道をふさぐ。
「おいおい、ここはてめーみてぇな真面目なガキが来るところじゃねえんだけど?」
その不良は遠回しに「お前みたいなカモが中に入ったら財布ふんだくられても殴られても文句は言えねえし、助けも来ない。それを分かってんのか?」という意味を込めて道を塞いだ。これはちょっとした確認であり、そのまま帰るならそれでよし、帰らないならば中で先輩方に揉まれてくればいいという意思表示だった。別に目の前の優男がどうなろうが知ったことではないが、余り不良でもない人間に来られると騒ぎが起きて店長が怒るかもしれないから部外者らしい人間が店に入る前にはそうするという暗黙のルールがあるのだ。
その不良の問いに対し、青年はさわやかな笑顔で返答する。
「ここにいる僕の”友達”と”かわいい後輩”に久々にお喋りしに来たんだ。そこ、退いてくれるかな?」
瞬間―――不良の第六感が悲鳴を上げて警告を発した。
(な、何だよこの威圧感・・・!何で、こんな・・・こいつ、何もんだ!?)
この男に逆らってはいけない。この男に手を挙げてはいけない。本能が叫ぶ警告が全身の汗腺からいやな汗が噴き出させ、脚が震える。
目の前の男は相変わらずニコニコと笑みを浮かべているが、その体から発せられる雰囲気から微かな苛立ちを放っていた。その苛立ちが、不良にあることを思い出させる。
(この感じ・・・先輩方を怒らせた時と同じ感じだ!そ、そういえばコイツ・・・いや、この人!)
先ほどこの男は後輩に会いに来たと言った。外見からてっきり同じ1年生かと思っていたが、この人は恐らく最低でも2年、ひょっとしたら3年生。そこに思い至ってからの不良の行動は早かった。
「すみません!どうぞお通り下さい!!」
「ん、どうも」
まるでそれが当たり前であるかのように不良の開
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