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予選開始
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よ」

 そして、そのプレイヤーも体が灰色になって負けが決まった。そして次のプレイヤーの狙いを定めるためにあたりを見渡す。

「おい、あいつも結構名の知れたプレイヤーじゃなかったのかよ……」

「おいおい、番狂わせにもほどがあるだろ……」

あたりのプレイヤーはさっきの光景を見ていたのか愕然としていた。逆に先ほどの光景をみた観客は大いに沸いていた。

「おいさっきの奴を一撃で倒した奴見たかよ!?」

「ああ。あいつ確か、ニュービーだろ!?スゲーな!!」

 観客の声も入って耳に入ってくる。だが、そんな声の中、背筋が逆撫でされたような感覚に襲われる。

「あいつが……ゲツガ……」

「ッ!!」

 その声のほうを向く。しかし、たくさんの観客のせいで誰が言ったのかすらわからない。なんなんだ、さっきの声、それにあの神経を逆撫でされたような感覚は?

「今だ!」

 観客の方を向いている隙を突いたのか、何人かのプレイヤーが突っ込んで来るが、それをかわして一人ずつ鳩尾に掌底を叩き込みHPを減らしていく。

 やはり、ちゃんとして撃たなければ一撃は無理なのか。あの時はちゃんと全体重が拳に乗っていたから倒せたのだろう。それにコークスクリューも入れたおかげだろう。しかし、自分の攻撃は普通の相手なら二撃程度で落とせるだろうからいいとする。

 そしてゲツガは予選の相手をほぼ一人で倒したという記録を打ち立てて本戦へと勝ち上がった。
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