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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百三十八話 嘘も方便
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、出来うる限り臣民やフェザーンや叛徒には知られないようにとの事」
「判りましたぞ」
「公爵、頼みました」




ブラウンシュヴァイク公爵が退出した後、リヒテンラーデ侯は深く息を吐いて独り言を言っていた。
「陛下、取りあえずは、煙に巻きましたぞ。此で沈静化すれば良し、まあ1年は時を稼げましょう。さすれば軍も精強に戻りましょう。しかし、アレキサンドル2世とは陛下もコアな事を例に出すものだ。益々面白くなってきたの」



アレキサンドル2世の話はテレーゼが調べた事であるが、其処までは言う必要が無いと陛下のお考えと下もので有った。
更に、臣民、同盟、フェザーンに今回の真意と言われる物が流れたとしても、皇帝の言葉ではなくあくまで国務尚書リヒテンラーデ侯の言葉で有る以上皇帝の真意では無いと後で幾らでも修正可能だと言う事も。


帝国暦484年5月8日

■オーディン ブランシュヴァイク公爵邸  オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク

リヒテンラーデ侯との話のあと帰宅すると早速、阿呆共が詰めかけてきた。少しは休ませて欲しいものだ。全く人の事など考えもしないこのボンクラ共が!

「公爵様、陛下とのお話は如何でありましたか?」
蝙蝠男のコルプト子爵か去年までリッテンハイムに媚びを売っていた癖に、先だっての件の後、真っ先に儂に伺候してきたからな。

「陛下は、本日はご気分が優れぬと謁見は無かった」
全員が残念そうな顔をするな。些か虐めたくなる。
「では、陛下のご真意は判らぬままですか?」

「そう言う事に・・・・・ならなかった」
どうだ、驚いている。愉快なことだ。
「どう言う事でしょうか?」

「うむ。陛下にお会いできなかったが、国務尚書と話し合いをしてきた」
「リヒテンラーデ侯とですか、して侯はなんと?」
焦るな、まるでお預けを食らった犬のようだぞ。

「此は、陛下の壮大な謀略だ。この事、平民や叛徒、フェザーンに知られぬ様にせよとの事だ。判るな」
「無論に御座いますぞ、我ら誇り有る帝国貴族、秘密を守ります」
ふん、どうだかな、明日にでもフェザーンにご注進する者が出るかもしれんがな。

「陛下は、農奴解放をするつもりはない」
「おお」
「よかった」
「やはり」
「しかし、我々を誤魔化すと言う事はないのですか?」

ほう、出来る者も居るようだ。確かモーリッツ子爵だったか。
「それはない、実際にアレキサンドル2世のことを引き合いに出された」
「アレキサンドル2世?」

皆が判らない様だな、それはそうだろう、儂も知らなかったのだから。
「アレキサンドル2世が私の知っているアレキサンドル2世ならば、農奴解放令をだした挙げ句に臣民から怨まれて暗殺されたロシア帝国皇帝ではありませんか
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