審判者
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、我々が貴方を救出しました」
「…そうか…」
そうだろうと予想はしていた。
あの状況から助かる未来など思いつかない。
ならば目の前のこいつらが自分を救ったとしか考えられない。
「…何で俺を助けた?」
問題なのは自分を救った理由だ。
理由無く自分を救ったと思うほど能天気ではない。
利用か…それとも別の何かか…しかも、ハイポが会話に名前を絡めていた所から、どうやら中の事は一方的に知られているようだが…そんな不審な気持ちが顔に出たのかもしれない。
ハイポはさわやかな笑みを浮かべるとしゃべり出した。
「我々の目的を語る前に、今回は災難でしたね持古中さん、ご愁傷様です」
「くっ」
災難の内容を聞くまでもないだろう。
そのおかげでこうして何処とも知れない場所で初対面の人間に囲まれているのだ。
思わず睨みつけてしまっても文句を言われる筋合いはない…もっとも、ぼろ負けした一部始終を見られていたであろう中の睨みつけでは、ハイポ達の顔色一つ変えさせることはできないだろう。
「彼は大母神に選ばれたオリ主、そして我々のように下位の神に選ばれたオリ主を見極め、捌く権利を与えられた者ですね?」
予想していなかったと言えばうそになるが、やはりこいつらはオリ主だったようだ。
しかも四人とも…。
「ああ、安心してください。ここは貴方がいた世界とは別の世界ですので、追いかけてくるまで少し時間がかかるでしょう。のんびりしている余裕があるわけでもありませんが、話をする時間くらいはありますよ」
「…そうか…」
中を安心させようとしての事だろう。
ハイポが当面の危機はないと断言した事で、多少安堵したのは間違いない。
「話を戻しますが、私達は大母神とそのオリ主が我々を裁くことに疑問を感じているのです」
「…何だと?」
「大母神の作ったシステムには問題があると我々は考えています」
聞き捨てならない事を聞いて、中が反応する。
「簡単に言うと、大母神が法を定め、それを任された人間が独断で裁くというのはあまりにも安易過ぎるしリスクが高いと私達は思うのです」
「つまり、お前らは大母神に反乱するオリ主の集まりって事か?」
「……」
中の確認に、ハイポは答えなかった。
ただ笑っていただけだが、その笑みを了承の意味ととった中はにやりと笑った。
「さて、中さん?実は我々は貴方の助力を必要としています」
ハイポは人の良さそうな笑みを崩す事無く、打算を白状した。
いや…白状と言うのも違うかもしれない。
直球の勧誘を考えると、最初から隠す気が無かったようだ。
「…つまり、あいつに復讐できるのか?」
中にとって一番重要なのはそこだ。
一度死に、第
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