一時の撤退
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かわすのが辛くなってきている
「そろそろ迎撃しないとマズいんじゃないかな?」
顔が俺から見て後ろを向いているシノンが焦ったようにそう言った
「だが、迎撃したとして勝てる気がしない。ザザ……ステルベンもレオンも俺と同じ元SAOトッププレイヤー。レオンが本来の得物じゃないのは幸いだけどあの槍さばきは決して侮っていいものじゃない。ザザに至っては本来の得物である刺剣を持っていた。対して俺は自分の武器である剣よりも軽い光剣。かなり不利」
「でも……」
私の援護があると言い掛けたようだが、途中で気付いたようで言葉が尻窄みになってしまう
そう、近接戦闘中の相手の狙撃は味方にも当たる可能性があるからできないのだ
どうする、このままじゃそのうち追い詰められる
俺にはピンチで覚醒したりするような力はないぞ?
「そろそろ諦めたらどうだぁ?鬼ごっこもそろそろ飽きてきたぜぇ?」
「クックック……」
レオンが後ろから話しかけてくるが無視。ザザは笑っているだけだが明らかに俺たちをおちょくっている
そろそろ戦うしかないのか
俺は別にいい。だがシノンが殺されるのは許容できない
「シノン、走れるか?」
「え?……うん」
「なら、俺が奴らを足止めするからおまえは逃げろ」
「それじゃあリンが!」
「いや……奴らに俺は殺せない。ザザはターゲットは三人と言っていた。シノン、ペイルライダー、そして俺たちが知らない一人。だがそれは俺じゃない」
「なんでそんなことを言えるの?」
「俺を殺すならいつでもできた。一番殺したいはずの俺を」
俺をプレイヤーが死ぬのを見せ付けることで苦しませたいっていう考えかもしれないが、ここは捕まったら確実に殺されるシノンを逃がしたい
「……わかった。この先にある一番奥の洞穴で待ってるから絶対来てね」
「ああ……約束する」
俗にいう死亡フラグを立ててしまったようだが……それを叩き折るのが主人公ってものだろ。例え偽物だとしても
「じゃあ、三つ数える。数えたら前に投げるから上手く着地して走れよ?」
「うん」
岩場が近いのか視界が開けてきている。これならば着地するのも簡単だろう
後ろからは相変わらずザザとレオンが追いかけてきてはいるが弾は撃ってきていない
確実な距離まで近づいて一撃で仕留めるつもりか?
「1、2、今!」
3のカウントでシノンをヘカートUごとおもいっきり前方に投げる
綺麗な弧を描いて宙を舞ったシノンを視界の隅に収めつつ滑るようにブレーキをかける
そして、振り返りつつ光剣を一閃。シノンを狙って発射された銃弾を叩き斬った
俺が止まると同時にザザとレオンも立ち止まる
「女だけ逃がしたか……」
明
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