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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十一話 楽しい合宿
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して、クラナは立ち去ろうとし……
「あ!クラナ先輩!」
「先輩もどうですか!?水切り!!」
しかし、リオとコロナの声に呼び止められてしまった。はて、彼女達が声を掛けて来るとは珍しい。と言うか、なぜ今回に限って……
振り向くと、キラキラした目を此方に向けて来るリオとコロナに混じって、ノーヴェがニヤリと、ヴィヴィオが少し期待したような視線を向けて来る。
ルーテシアも、少しだけ微笑んでクラナを見ていた。
「いや……(ノーヴェさん!俺したズボンなんですけど!?)」
『なら丁度よく水着が来たぞ?』
『え……』
ノーヴェの言葉に思わず声を上げて、丁度彼の後ろから声が響いた。
「おーっすクラナ。水着持って来たぞ……って、うん?どした?」
「…………」
クラナは狙ったのではないかと思うようなタイミングで表れたライノをみて溜息をつくと、呟いた。
「……バッドタイミング」
「いや、グッドだろそれ普通」
──二分後──
木の陰で水着に着替えたクラナは、先程のアインハルトのように川の中心に来ていた。
少し左右を確認して、アインハルトやヴィヴィオ、リオ、コロナ、ルーテシアがやたら期待した目線で、ノーヴェやライノがニヤリと笑いながら此方を見ているのを確認して、クラナははぁ。と溜息をつく。
瞳を閉じて、ゆっくりと拳を引く。
と、やるまえに、ライノにクラナは念話を掛けた。
『ライノ、ごめん、固定頼む』
『ん?あぁ。あいよ』
言うと、ライノはゆっくりと水面に近付き、手で水に触れると、またノーヴェの下へと戻って行った
「ふぅ……」
構えを脱力し、撃ち出すまでの動作をゆっくりと行うのは、先程説明したのと同じ理由だ。
水中に置いては、速い動作を行おうとすればするほど地上との必要な運動エネルギーの差が大きくなる(無論、必要量が大きいのは水中だ)。しかし逆に、ゆっくりとした遅い動作をするのであれば、その抵抗力は殆ど地上と変わらないのである。
大きい運動をしようとする時の抵抗。この差が発生する理由は、単純。
気体は、液体と比べて、一方向に力を加えられた際に反発するベクトルが殆ど無いからだ。
と、まぁ此処で気体液体固体のベクトルに対する抵抗力の話をした所で、余り意味が無いのでこれ以上は省略する。
唯インパクトまでの間にこの抵抗が大きくなっていると、インパクト時まで抵抗が大きく。前方に進むベクトルが減衰してしまうのだ。逆に言うと、ゆっくりとしたままでインパクトの瞬間までのベクトルを持っていければ、後はインパクト時に撃ち出す筋力“等”から生まれる威力が、前方に進むベクトルを自然と増幅し、総合的な威力を上げてくれる。
「…………」
そうしてクラナは、引いた拳をゆっくりと前方に持っていき…
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