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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十一話 楽しい合宿
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」」
ノーヴェの言葉に、チビッ子三人が大きく返事をする。アインハルトは首が首を傾げているが、クラナにはまぁ何をするのか察しが付いた。

『成程。確かにアインハルトさんは興味がおありかもしれませんね』
『うん。やっぱりノーヴェさんは教えるの上手いよ』
そんな事をアルと話しつつ、クラナはチビッ子たちを見る。
水切り、と言うと、作者を含め一般的には平たい石を水面と平行に投げて表面張力で遠くに水面をバウンドさせながら飛ばすアレが思い浮かぶだろうが、勿論今回のは違う。
ヴィヴィオ達三人は水中から上がることなく、水面に向けて三人一斉に拳を構える。ゆっくりと引いた拳を……三人は鋭く前に突き出した。

「えいっ!」
なんとも可愛らしい声と共に突き出された頃なの拳の前で、水面が左右に割れるように大きめの波を作った。
続けてリオ。彼女のはコロナより大きめの波で、長めの鋭い形をした波が進む。そして最後は……

「いきます!」
元気の良い声で、ゆっくりとした動作から一気に拳を突き出した。ヴィヴィオの前で、先程のコロナやリオよりも更に大きな波が長く前方へと進む。
要は、打撃の威力を水面を滑らせるように打ちだすことで、その威力と貫通力をチェックしているのである。

「(ってか、これをまさかプールでやってるんじゃないだろうな……)」
若干そんな事を考えていると。

「アインハルト、格闘技強いんでしょ?やってみる?」
「はい」
早速、アインハルトもチャレンジ精神を刺激されたようだ。

河の真ん中に立つアインハルトは、ゆっくりと拳を構える。

「(水中じゃ大きな踏み込みは使えない。抵抗の少ない回転の力で……)」
引いた拳を、腰から来る回転の力で進めて……

「(出来るだけ、柔らかく……!!)」
撃ち出した。
と同時に、アインハルトの前にかなりの高さの水柱が上がる。凄まじい音を立てたそれは、まるでシャワーのように降り注いだが……しかし、それは言ってしまえば、《大きいだけ》だった。

「……あれ?」
発生した水柱が、《まったく前に進まない》のだ。それはつまり、威力はあっても前方に対して進もうとするベクトルの力が殆ど無い。と言う事だった。

「お前のはちょいと初速が速すぎるんだな」
上着を脱いで、水の中に入って行ったノーヴェが、少し手本を見せるように水中で足を振る。ちなみに足なのは、彼女が蹴り技を得意としているからだ。まぁ本当ならば脚の方が水の抵抗は多い筈なのだが。

「初めはゆるっと脱力して途中はゆっくり」
その言葉に会わせて、ノーヴェは体を動かしていく。

「インパクトに向けて鋭く加速。これを素早くパワーをいれて──あぁ、そうだ」
と、其処まで言ってから、ノーヴェはニヤリと笑ってクラナの方を向いた。嫌な予感が
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