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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十一話 楽しい合宿
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、少しだけ目を伏せると、ライノは言葉を選ぶように聞いた

「……でもな、ヴィヴィオ……多分だけど、お前が思ってる程、お前はクラナを怖がらなくても良いと思うぜ?」
「え……」
『お、おいライノ……良いのか?』
『あー、まぁ、少し背中押すために使うくらいなら、ばれないかなと』
行き成りクラナから口止めされている事を話出す気配を見せたライノに、ノーヴェは焦ったように聞いたが、ライノの答えは簡潔だった。

「確信は無い(いやまぁ有るが……)けどな……きっと、きっとだぞ?お前の兄貴は、ヴィヴィオが思うほど、お前の事を嫌ってねぇよ」
「でも……私は……」
言いながら、ヴィヴィオは再び項垂れる。ヴィヴィオとて、自分がクラナの母が死んだ理由の一端を担っていると言う事実を、気にしていない訳では無かった。
もう殆ど覚えていないが、母達にとっては恩人で、クラナにとっては母親で、そして自分にも、きっと優しくしてくれたその人を殺した。その原因は、間違いなく自分にもあるからだ。
きっと誰もが、お前が気にする事じゃない。お前のせいではないと言うのだろう。けれど、それでも……今のヴィヴィオには分かってしまう。
大好きな、母親と言う存在、それがもし目の前から永久に消えてしまったら、どんなに辛い思いをする事になるのか。例えば今、自分の前からなのはとフェイトが消えてしまったら、いや、どちらか片方だったとしても、それに耐えられないと言う確信が、ヴィヴィオにはあった。
そしてもし、それが誰かに殺された故の事だったとしたら……それは……

「うん。確かに、ヴィヴィオが責任を感じんのは、まぁ分かる。けどな、それで今のクラナが見えなくなるのだけは、勘弁してやって欲しい」
「今の……お兄ちゃん……?」
涙をぬぐいながら頬を赤くして自分を見たヴィヴィオの瞳を真っ直ぐに見て、ライノはコクリと頷いた。

「おう。この間までの彼奴だったら、きっと、此処に来たりしなかったのは、分かるよな?」
「は、はい……」
「その前も、お前と喋るようになったり、練習に付き合ったり……彼奴はさ、ヴィヴィオ。きっと今、変わろうと必死なんだと思うんだ」
「必死?お兄ちゃんが……ですか?」
少し戸惑ったように問い返したヴィヴィオに、ライノははっきりと頷いて返す。

「あぁ、彼奴は今多分、ようやく自分の今置かれた状況を受け入れて、適応しようって気になってる(まぁ今でも適応してねーわけじゃねーけど)。そう言う所は、お前こそちゃんと見ているべきなんだって思う。ヴィヴィオとクラナのこれからの関係に、根本的に関わる事だしな。……だからさ」
其処まで言うと、ライノは立ち上がり、彼女の肩を、ポンっと叩いた。

「まー、なんだ。お前の兄貴を、もっと怖がらずに行ってみ。失敗しそうになったら、俺もカバ
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