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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十一話 楽しい合宿
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ライノが言い終えると、リオやコロナは考え込むように真剣な表情で下向く。

『……こんなんで良かったッスか?マジで思った事まんまッスけど』
少し目線を向けてノーヴェに聞いたライノに、ノーヴェは軽く頷く。

『上出来だ。リオもコロナも解決策が見えてくればちゃんと行動出来るからな。ただ……』
言いながら、少しだけ瞳を動かしてノーヴェはヴィヴィオを見た。

『此奴は、ちょっと、な』
「…………」
少し俯いたようにして暗い顔をしているヴィヴィオを見て、ライノは頭の後ろをガリガリと掻くと……静かに彼女に歩み寄る。

『お、おい』
「……なぁ、ヴィヴィオさ、お前ってクラナ嫌い?」
「「「!?」」」
「えっ!?そ、そんな事!!」
行き成り問うたライノの言葉に、ヴィヴィオは驚いたように反応した。しかしライノは表情を崩さず、に言う。

「そうか?その割には、結構クラナと一緒に居る時、少しクラナの事怖がってるよな?」
「そ、それは……」
今度は、否定は返ってこなかった。
まぁそれはそうだろう。ヴィヴィオが最近クラナが彼女と話すようになって少しずつ。本当に少しずつだが、会話するようになってからこの方、彼女が何時もクラナと話す時何かを恐れているのは、皆が感じている事だ。隠しようも無い。

「あぁ、ごめんな。意地の悪い質問して。まぁ、なんでお前が彼奴の事を怖く思うのかは、分からない訳じゃない。……また、クラナを怒らせるのが怖いんだろ?」
「……はい」
少し優しげな声になって聞いたライノに、ヴィヴィオはコクリと頷いた。その瞳が少しうるんでいるのは、気のせいでは有るまい。

「初めは……そんなこと、考えなかったんです。また話してくれるのが嬉しくて……これからは、もっともっと前に行けるんだって思えて……でもっ、だんだんお兄ちゃんと話すたびに、また何かの拍子に話してくれなくなるんじゃないか。って思えて来て……!」
「……うん」
「そう考えたら、怖くて、今度は私が上手く話せなくなって……この旅行に、お兄ちゃんが一緒に来てくれるのも、とっても嬉しくって、でもっ、さっきの、ルールーに怒った時のお兄ちゃんの顔見たら、やっぱり、怖くて、たまらなくなって……!お兄ちゃんが、私達に答えてくれたのに……私も、答えなきゃっ、いけないのに……っ!」
「ヴィヴィオ……!」
後半は半ば嗚咽交じりの言葉だった。リオとコロナは再び泣きそうな顔で彼女を見ているし、後ろからそっとルーテシアが彼女を抱きとめ、ノーヴェは複雑な表情でライノとヴィヴィオを交互に見ている。
罪悪感を覚えつつ、ライノは頷いた。

「分かった。うん。分かった、悪かった、言いにくい事聞いたな。ごめんな」
「いえ、いい、ですっ……」
しゃくりあげながら気丈に答えたヴィヴィオに
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