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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第四十六話  決戦(その五)
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ら本当のところはどっちが優勢なのか、今一つ良く分からない。

緊張するなあ、結構近くで爆発する艦とか有るし大丈夫なのかって思ってしまう。皆は緊張してないのかな? お水でも用意しようか……。
「結構厳しく攻めてきますね、ブリュンヒルトも危ないかな」
頭領だった、のんびりした口調だったけどとんでもない事を言っている。皆顔を強張らせているよ。僕達からは後ろ姿しか見えないけどどんな顔してるんだろ。

「大体この艦は目立ち過ぎですよ、一体何でこんな艦を作ったのか、理解に苦しみます。まるで敵に撃沈してくれと言ってるようなものですからね」
「頭領……」
ゾンバルト副参謀長が声を震わせて注意した。眼が飛び出しそうになってる。でも頭領は振り向きもしない。皆が吃驚してるなんて気付いていないみたいだ。

「ローエングラム公がこの艦を貰った時は未だ軍の実力者じゃなかった、どちらかと言えば軍の嫌われ者だった。この目立つ艦に乗って撃沈されてしまえとでも思われたかな。まああの性格だからそれもしょうがないか」
あーあ、皆呻き声を上げているよ。なんかスクリーンに映る爆発なんかどうでもよくなってきた。頭領の発言の方が爆発してる、被害甚大って感じだ。

「エンメルマン大佐」
「は、はい」
「旗艦を移すとすればどの艦が良いか、ふさわしい艦を幾つか見繕ってくれませんか」
「……」

エンメルマン大佐が固まっている、身動きできない……。代わりにクリンスマン少佐がつっかえながら頭領に問いかけた。
「そ、それは、この艦が反乱軍に撃破されると、いう事でしょうか?」
ようやく頭領がこっちを向いた。眼が悪戯したみたいに笑っている。

「そうじゃ有りません。こっちから突っ込ませてヤン艦隊に撃沈させるんです。同盟軍はこの艦を撃沈すれば撤退に移ろうとしますからね、向こうの攻勢を止める事が出来る。まあ直ぐ逃げたと分かるでしょうが態勢を立て直す事が出来るでしょう」
はあ、この艦を囮に使うの? 皆目を白黒させているよ。参謀長もびっくりしている。

「し、しかし、ブリュンヒルトは総旗艦で……」
「気にする事は有りませんよ、クリンスマン少佐。ブリュンヒルトは実験艦として作られた艦です。戦闘データはローエングラム公が十分に取りましたからね、後は敵の攻撃に対しどの程度耐えられるか、耐久力の確認だけでしょう。丁度良い、これが大規模な会戦としては最後の戦いでしょうからここでやってしまいましょう」

え、あの、やってしまいましょうって……。
「ヤン・ウェンリーはゲリラ戦を展開しつつ帝国軍に決戦を強いました。見事ですよ、だから意趣返しにこちらは逆をやりましょう。決戦しつつその中でゲリラ戦を展開する。同盟軍の勝利条件は艦隊戦で勝つ事では無くローエングラム公を殺す事です。さて、ヤン・ウ
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