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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
その身に騎士を宿せし少年の御話・V
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多分に漏れずのようだが。
という事で建物の中に入ってみた。鍵が掛かっていたらどうしようかとも思ったがその心配はなかったようだ。
「・・・クロエ君?どうしたんだい、こんな朝早くに?」
「目が覚めてしまって、散歩してました」
「そうかい・・・まぁ慣れない環境だろうからそれも無理はないかな」
そこにいたのは僕の義理の兄に当たるらしい人にしてこの家に来る直接的な原因になった人、恭也さんだった。
見れば木刀を持っており、素振りをしていたらしい。それを見て僕はようやくここが小さな道場であることを理解する。端に置いてある剣道の練習道具。奥には神棚も見え、明かりが差し込みやすいように高い位置に設置された窓からもここがそういう場所であることが伺えた。
・・・ふと練習道具をよく見てみると、竹の薙刀、棒、竹刀、それそれ長さの違う木刀が置かれている。木刀はあちこちに小さな傷が出来ているのに対し、他の練習武具は全く使い込まれた形跡がない。恐らく他は一応置いているというだけなのだろう。
「ひょいっと」
何とはなしに棒を掴んで持ち上げてみる。男の子はやたらと長いものを持って振り回したがる生き物なのです。
何となく使い方が分かるような気がするので、頭に浮かんだイメージ通りにぶんぶん振り回してみる。しかし何故か動きが棒術じゃなくて槍術っぽかった。これも騎士の力の影響なのかな?
《そのようだ。オリジナルの使える武器は剣と槍のみだったらしい》
『騎士ならそれだけできれば十分だよね、多分』
そもそも騎士って剣の道一本っていうイメージがある。ひょっとして僕の考えが古いの?
気のせいか様になっているような気がしないでもない槍術だが、小学生が振り回して様になるも何もないだろう。
ふとこんな事して恭也さんの気を散らしてしまってないかと不安になる手を止める。思った通り邪魔になっていたようで、恭也さんは険しい目でこちらを見ている。取り敢えず謝っておこう。謝罪しすぎる日本人である。
「あの―――」
「なぁ、クロエ君。ちょっとチャンバラごっこでもしてみないか?大丈夫、軽い遊びみたいなものだよ」
「―――・・・分かりました」
ごっこって言ってるから大丈夫だよね?軽く遊ぶだけだよね?ならば正直やってみたいです!
だってチャンバラごっこなんて全然やったことないし、正直興味津々です。
こうして二人のチャンバラごっこが始まった。
―――ただし、それは他者から見たら”ごっこ”では片づけられないほど苛烈なものだったが。
そう、この時僕は甘く見ていたのだ。
あのおじさんがくれたという騎士の力を。
僕の身体に眠る”らぐずの因子”の力を。
”スキル”という形で僕の身体に馴染んだ数々の力、そして無自覚に受け継いだ最強
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