第百二十八話 促しその十四
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だけ多くともですか」
「それでもですな」
「韓信がそうじゃった」
史記にある異朝の古の名将だ。その頃の国の名は漢といった。
「兵は多ければ多いだけよいとな」
「史記にあった言葉ですな」
「確かに言っていましたな」
「そうした将帥は中々おらぬ」
実際に韓信の主である劉邦は韓信自身に十万の兵を率いる程度と言われていた、だが韓信はその劉邦を将の将の器とも言った。
そして信長もだった。
「しかも将の将でもあられるな」
「あの漢の高祖の様に」
その劉邦のことだ。
「まさにな」
「天下人の器ですな」
「紛れもなく」
「戦をしてはならない」
これが宗滴の結論である。
「決してな」
「しかし殿があの有様ではそれも」
「危ういですな」
朝倉家においても心ある者達はわかっていた、織田家との戦は避けるべきであると。しかし義景はそのことが全くわかっていないまま運命の一月を迎えるのだった。
第百二十八話 完
2013・3・12
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