TURN76 青い石の力その四
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「皆帰してあげるわ」
「そのうえで戦争に参加してもらいます」
「兵器の返還もお願いします」
ヒムラーはこのことを言うことも忘れなかった。
「ではその様に」
「ええ、じゃあね」
こうしてベルリン講和会議はドクツにとって一方的なまでにいい条件で話が整い終わった、カテーリンは会議が終わり控えのホテルに入ってミーリャ達に言った。
「何かおかしいわよね」
「うん、何かドクツの言うままだったね」
「こっちの要求は全部通らなかったけれど」
「どうしてなのよ」
カテーリンはむっとした顔でホテルの席に座って言う。
「こっちが勝ってたのに」
「だからこっちも要求出来るだけ要求したのにね」
「どうしてなのかな」
ミーリャとロシアも首を捻る。三人でホテルのテーブルを囲みそのうえでドクツのコーヒーを飲みながら話すのだった。
その中でこう言うロシアだった。
「急に会議の雰囲気が変わらなかった?」
「そうよね、本当に急だったよね」
ミーリャもロシアのその言葉に頷く。
「この状況って」
「ううん、どうしてかな」
「ヒムラーさんが手袋を脱いでからだけれど」
「あの青い石何なの?」
カテーリンは青い石について言及した。
そのうえで自分手の甲にある赤い石を出してそして言うのだった。
「私の赤い石と同じものかの?」
「あっ、そういえばあの青い石ってね」
「同じだよね」
ミーリャとロシアもこのことに気付いた。
「カテーリンちゃんが皆を説得する為に使う」
「その石と同じよね」
「ヒムラー総統は私と同じなの?」
カテーリンは首を捻って言う。
「あの青い石は皆を説得出来る石なのかな」
「ううん、だったら危険だよ」
ロシアは不安になった顔で述べた。
「あの人の言うことに皆従うから」
「今度会った時は油断しないから」
カテーリンは眉を曇らせて強い声で言った。
「私もね」
「そうね。下手なことをしたらね」
「その時は用心しないとね」
こうカテーリンに応えるミーリャとロシアだった。カテーリンは二人の話を聞いてから今度はこう言ったのだった。
「あとね」
「あと?」
「あとっていうと?」
「このホテル贅沢過ぎるから」
今度はこのことに怒るカテーリンだった。
「こんなの駄目よ」
「貴族の屋敷みたいよね」
「貴族は自分達だけ権力を持って贅沢をしているのよ」
カテーリンの考えではそうだ、ロシア帝国では確かにそうした貴族が多く彼女は彼等を打倒する為に革命を起こした。
だから今彼女達がいるロイヤルスイーツにもこう言うのだった。
「そんな貴族の真似とかは駄目よ」
「そういうことね」
「コーヒーも嫌いだけれど」
カテーリンは紅茶派だ、ジャムを舐めながら飲む。
「この貴族の屋敷みた
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