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ヘタリア大帝国
TURN76 青い石の力その二
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「是非共」
「ただドクツ軍の指揮権は我々にあるということで」
「!?」
 ヒムラーの今の言葉にはエイリス側もソビエト側も言葉を止めた。
「それは一体」
「どういうことよ」
「この国の軍はこの国に指揮権があります」
 ヒムラーはセーラとカテーリンに平然とした顔で返した。
「だからです」
「あの、それは」
「違うわよ」
 セーラとカテーリンはドクツをすんでのところまで追い詰めたことからドクツ軍を自分達の指揮下に置きたかった、それで彼等を戦争の矢面に立たせるつもりだったのだ。セーラはそこまでは考えてはいなかったがカテーリンは露骨に考えていた。
 だがヒムラーはここでこう言ったのだ。
「自ら戦わせてもらいますので。それに」
「それに?」
「それにというと」
「ドクツ領内への他国の軍の通行、基地の使用は私が許可を出します」
 セーラの要求への返答だった。
「他国への人員の派遣もです」
「しないっていうの?」
「私が検討しそのうえで派遣します」
 今度はカテーリンの要求について答える。
「軍事、民間技術もです」
「あの、それは幾ら何でも」
「虫が良過ぎるわよ」
 セーラもカテーリンも眉を曇らせてヒムラーに言う。
「お言葉ですが貴国はです」
「ソビエトに負けかけてたのよ」
 何気に自分達だと言うカテーリンだった。
「それでどうして」
「そこまで言えるのよ」
「おや、ドクツは敗北も降伏もしていませんが」
 ヒムラーはこのことを盾に取って二人に返す。
「違いますか」
「こいつ、何なんだ?」
 イギリスもヒムラーを見て言葉を失う。
「ここまで図々しい奴はな」
「オフランスのタレーラン、フーシェ以来ですね」
 イギリス妹も唖然として兄に囁く。
「あの時はナポレオンに全ての責任を負わせられましたが」
「今のドクツはな」
「あの時のオフランスよりさらに立場が悪いというのに」
 やはり降伏の一歩手前まで至っていたことが大きい。
「それでここまでの要求とは」
「有り得ねえな」
「ヒムラー総統は一体何を考えているのか」
「図々しいのか?それとも」
「私達に認めさせられる何かがあるのか」
 イギリス妹はその可能性を考えた。ロシア妹もだった。
 怪訝な顔で兄にこう囁いた。
「あの、ヒムラー総統は」
「うん、凄いこと言ってるね」
「私達の要求を認めるしかないですが」
「それでどうしてあそこまで言えるのかな」
「ちょっとこれは」
「何を考えているのかな」
 二人もヒムラーの考えを理解しかねていた、そしてだった。
 首を捻りながらそして言うのだった。
「何か怪しい雰囲気もあるし」
「あそこまで言える根拠は一体」
 二人は首を捻っていた、今会議の場はほぼ誰もが?然となっていた。冷静な
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