TURN76 青い石の力その一
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TURN76 青い石の力
セーラ達エイリス側もカテーリン達ソビエト側も会議の場に入った。ヒムラーは彼等に対して席を立ったうえで笑顔でこう言った。
「ようこそ」
「はい」
「来たからね」
セーラもカテーリンも警戒する顔でそのヒムラーに応えた。
「それではですね」
「今からよね」
「お話をはじめましょう」
ヒムラーは二大国の主達を前にしても余裕綽々といった物腰だった。
「これからの我々のことを」
「そうね。それじゃあ」
「では着席をしましょう」
ヒムラーに続いて他の者達、イタリン側も起立していた。ヒムラーはその彼等にも着席する様に告げた。
こうして会議がはじまった、カテーリンがまず言った。
「こちらからのドクツへの要求だけれど」
「どういったものでしょうか」
「技術提供をしてもらうわ」
戦勝国に近い立場での言葉だった。
「軍事技術にインフラの技術もね」
「どちらもですか」
「そう、それに各星域の開発への人員の派遣」
今度は労働力の供与だった。
「施設や食事の費用もそちら持ちよ」
「その二つですか」
「あと対日戦への協力」
カテーリンは領土や賠償金を得られないならとドクツに対して要求できるだけのものを要求したのである。
「東欧諸国の独立もね」
「それがソビエト側の要求ですね」
「そうよ。受け入れてもらうから」
「我が国はです」
カテーリンの話が終わると今度はセーラが言ってきた。
「西欧及び北欧諸国の独立とです」
「そのことですね」
「そしてエイリス軍のドクツ国内の通行の自由、ドクツ軍基地の使用許可」
セーラはヒムラーにこう要求する。
「インド洋の植民地奪還への協力です」
「それがエイリス側の要求ですね」
「そうです」
エイリスの要求はこの三つだった。
「受け入れてもらいます」
「我が国は経済協力と技術協力だ」
ぴえとろも何気に要求する。
「援助を頼む」
「ふむ」
ヒムラーは三国の話を全て聞いた。そのうえで手袋に覆われた右手を己の口に当てて考える顔を見せた。
そのうえでこう彼等に言った。
「東欧、北欧、西欧諸国は独立し欧州経済圏に参加するということで」
「ええ、そうよ」
「そうしてもらいます」
ソビエトは共有主義なので経済圏とは物々交換の交易程度だがそれでも加わるのだった。尚ここには共有主義を欧州にさらに浸透させようという狙いもある。
「それでいいわね」
「この諸国からドクツ軍は撤兵します」
このことはヒムラーから言った。
「イタリンへの経済協力も約束します」
「有り難いことだ」
ぴえとろはこのことに素直に喜びを見せた。
「ではお願いする」
「そういうことで。そしてです」
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