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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
選択肢は二つ
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、君が口にした設問に戻るわけだ」
「ええ。呑み込まれるか、別れるか。呑み込まれた時はパパが実演してくれたわ。………気楽でいいわよ? 自由な恋愛も学生ごっこもしばし続けることが出来るわ」
「それも楽しそうだが、私は<奴等>以外にも人の命を奪っている。………介錯をしたつもりだったが、今思えば子供がするべきではないな」


この地獄が始まってからすぐに保健室で男子生徒を一人殺した場面を思い出していると、彼女も思い当たる節があったようだ。


「私だって、クラスメイトを置いて自分を優先したわ! それは私達が教わる正義とは全く違うものだと思うけど………」


彼女もやはりこの異常な状況に自分が取った行動が正しいのかが、今になって困惑していた。
だが、そうでもしなければ自分の身が危なくなっていたのは確かである。
私達はやるせないでいた。
お互い、“あのときの行動は本当に正しかった”のかと………。
しかし、自分に言い聞かせるしかないのだ………“あの判断でよかったのだ”と。そうでもしなければ―――――壊れてしまう。
建物の角に見覚えのある顔が目に映った。


「確か、あれは………」
「……? どうしたのよ?」


彼女が気になって訊ねてくる瞬間、向こう側から一際大きな声が響いた。


『何を騒いでおる!!』


私達は、その声の方に向かうと平野君が私達が所有していた銃を抱え込みながら高城会長と対峙していた。


『少年、名を聞こう!!』
『ひ、ひ、平野コータ…藤美学園三年B組出席番号32番ですぅ!!』
『声に覇気があるな、平野くん。さぞかし苦労しただろう。どうあっても銃を渡さないつもりか?』


そこから彼は必死の思いで自分の心の内を告げていた。
そして高城会長が平野君に『出来ることとはなんだ?』という問いかけに対し、彼を声を出そうとするが、高城会長のオーラに上手く声が出せなくなっていて口パクにしかならなかった。
そこに新たな声が響いた。


『あなたのお嬢さんを守ることです!』


小室君が、前に出て高城会長にこれまでのことを簡易的に説明した。
そして、私達は平野君の元に集まり高城会長達と対峙した。


「そうよ、パパ! こいつはどうしようもない程の軍ヲタだけど、平野が………コータがいなければ私はとっくに死んでたわ! ここまで守ってきてくれたのはパパではなくてコータよ!!」


私達だけではなくて、宮本君も鞠川校医も出てきた後、私達の後ろから軽快な声が聞こえてきた。


「おーおー、平野、泣くな泣くな。男が泣く時は誰も居ない時に泣くもんだぜ?」
「「「蒼騎/真紅狼君!?」」」
「……君が蒼騎君かね?」
「コイツはどうも高城会長。アンタの娘の友人の蒼騎真紅狼だ
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