第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第28話:信じる心とは……
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ニキ!
「ホフマンさん……人を信じる事と、他人が言った事を鵜呑みにするのとは違うぞ! 貴方は物事の本質を見ようとしない……以前は“人は皆、裏切り者だ”と思い込み、個々の人間の本質を知ろうともしなかった。今は言われた事をただ鵜呑みにして、その情報の意味や何故教えてくれるのかを考えようとしない。それは人を信じているのではなく、その人の事を考える事を放棄しているにすぎない!」
「そ、そんな……」
アニキにキツイ事を言われたホフマンは、顔面蒼白で立ち竦む。
一体以前に何があったのかは解らないけど、コイツは前からこんなヤツだったんだろう。
「トルネコさん。貴方の考えは判ってます」
「わ、私の考え!?」
きっと饅頭は楽して儲けようと考えてるんだと思う。
「リューラは多くを語らない娘だ……きっと父親の事は『凄く強くて、格好良くて、優しくて、面白い人』以外、何も言ってないでしょう」
「えっと……はぁ……」
「だから貴方はリューラの行動や持ち物から推測した事だと思います」
「す、少しは……」
きっと少しじゃないと思う。
「貴方の推測を当てましょう。きっとリューラの父親は、何処ぞの大貴族だと思った事でしょう。リューラの世間知らずなところや、装飾品の貴重さ……腹違いで居る複数の兄妹の事」
「そ、その通りです……」
「本人に会うまでは詳しい事を説明するのは避けますが、リュカさんは貴族じゃありません。まぁ近い物はありますけど、あの人が自由に使う事の出来る金は少ないです。取り入っても旨味は少ないですよ」
「え、そうなんですか!?」
本当にそんな事を考えてリューラの手伝いをしてたのかよ……
最低な饅頭オヤジだな!
しかも最も危険な事はリューラが自分で解決してたからな……
「俺の事はどう考えました? 腰に剣をぶら下げてるから、脳味噌まで筋肉の馬鹿剣士だと思ったんじゃないですか? 宝の話を持ちかければ、ホイホイと手の平で踊ってくれる単純馬鹿だと考えたんじゃないですか!?」
「い、いえ……そ、そんな事は……その……」
こ、これも正解かよ……
饅頭の腐れ加減も凄いが、アニキの人を見る目も凄いなぁ……
そんなに会話はしてないだろうに……何を基準に判断してんだろうか?
「言っておきますが俺は頭脳派です。幼い頃より魔法を専行してきて、魔法戦であればまず負ける事は無いと自負してます! しかしながら剣術は初めて数年で、とてもではないが一人前とは言えないレベルです」
「そ、そうなんですか……!?」
色々な事実を知りガックリ項垂れる饅頭。
お前……その態度は全てを認める行為だぞ。
まぁアニキが全てを明るみにしちゃったから、今更取り繕っても意味はない
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