愛と哀 〜再開編〜
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」
モニターを確認して報告をする管制官の声が飛び交う中、1人の管制官が目を見開き、恐らくこの中で最大であろう声量で報告した。
「MS部隊を突破したのがいます!!データ照合!主モニターに出します!!」
巨大なモニターに映し出されたそれは、全身白の塗装に黄色のラインが入っていて、左肩には、ライフルと連結した大きなシールド、背中には特徴的な巨大なスーパーバーニアが付いている、王者を連想させるMS、トールギスが映っていた。
「ト、トールギスです!!!」
「トールギス…!?」
ミシェルは正面から無防備に突っこんでくるトールギスを前に硬直してしまった。
「閣下!!」
「ご指示を!!」
砲撃担当の乗組員がミシェルの方に振り返り、焦った表情で問う。
「し…主砲準備!電力が足りなくても無理矢理撃て!」
ビクトゥーリアの巨大な砲台がエネルギーをチャージし始めた。
「チャージ完了!いけます!!」
「撃てェ!!」
極太のビームの束がトールギスめがけて直進する。
と、艦内の電力がダウンした。
「電力ダウン!予備に切り替えます」
「モニター回復まで、あと、6…5…4…」
管制官がカウントダウンを始めると、ブリッジに異様な緊張が走った。
「3…2…1…!」
「!?」
「うあぁ!!」
モニターが回復し、そこに映っていた光景に乗組員全員が驚いた。
「て、敵機との距離、0.2!!」
巨大なモニターいっぱいに映し出されたのはトールギスの顔だった。
「直撃だったはずだ…なぜ生きている!?」
「トールギスから通信です!!」
『こちらBFのヒイロ・ユイ』
ブリッジ内に響いたのは間違えようの無いヒイロの声だった。
『覚悟しろ』
ヒイロは静かにそう告げると一方的に通信を切った。
トールギスはバスターライフルを構えていた。
「これが私のトールギス、トールギスゼロだ」
ヒイロは静かにトリガーを引いた。
「君たちの負け」
バスターライフルから最大出力で放たれたビームは、ビクトゥーリアのブリッジを貫通し、メインエンジンを貫いた。
ビクトゥーリアは一瞬にして無残に散った。
「フッフッフッフッ…ハハハハハハ!!」
ヒイロはコントロールパネルを操作し、現宙域内の全てのMSに通信を入れた。
「火星軍諸君、BFはミシェル・クシュリナーダを殺した、よって君達の負けだ、残存兵は直ちに…死ねェ!!!」
火星の空が爆炎で埋め尽くされた。
「はじめよう、救いを…」
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