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少年は魔人になるようです
第10話 魔人たちは先に進むようです
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……。」


ああ、ウチの小さい姫様は、何時の間にかこんなに成長していたのか。


「今は、サヨナラだ!!

我々は不老なのだから、いつか会えるさ!!」


なら、もう俺達が手を出すことは無い、のだが。

だが、しかし!!


「エヴァ、俺達の代わりに、これを持っていけ。お守りだ。」


そう言って渡すのは、黒い羽と白い羽が交差しているチョーカー。

能力は・・・

『エヴァに15禁以上、もしくは、エロい危機が迫った時に、俺が召喚される』だ!!

――――痛い痛い!物を投げるんじゃない!!

シリアスは投げ捨てるモノなんだよ!!!

エヴァは穢させん!!嫁にもやらん!!欲しければ俺を倒して行け!!!


「ククク、吸血鬼がお守りを持つとはお笑いだな。

だが―――、ありがとう。一生大切にする。

それではな、兄さま、姉さま!!またいつか会おう!!!」

「行ってらっしゃい、エヴァ。車に気を付けるのよ。」

「知らない人に着いてっちゃ駄目だからな。」

「お前等は私の親か!!?全く、じゃあな!!」

「ああ。またな、エヴァ。いずれ、因果の交差路で。」


バシュゥ!!という音と共に、エヴァを旧世界に送った。

これでいい。

これで、『これ』に関係ないエヴァは助かる。


「さて、シュウ。本当の目的を…いえ、エヴァのも本気だったわね。

二つ目の目的は、一体何?」


流石、ノワール。そこまで気付いてたか。


「ああ。俺の経験もだいぶ溜まったし、武装の貯蔵も十分だ。

―――偉そうに人間の上に突っ立ってる、『神』の殲滅に向かう。」


そう。俺の今回の真の目的は、武装の調整。

ノワールとの模擬戦と、今回戦いで使った感じで分かった。


―――あいつらは、本気の俺の足元にも及ばない。

神の名を冠しているが、所詮は天使。しかも、全盛期より遙かに劣る軍。

ノワールだけでも勝負は見えている。


「さぁ、ノワール、行こうじゃないか。偽の神の世を終わらせに!!!」

「フフフ、Yes、mymaster.ああ、本気で戦えるなど、何千年ぶりか。

あぁあ、血が滾る!!」


ノワールが若干昔の女王様形態になってるな。踏んで欲しい。


「愁磨、行くぞ!グズグズするな!!!」

「了解です、姫様。さぁ、『神の許へ連れて行け』!!!」


――――ィィィィィィィィィィン!!

羽音の様な高い音が響き、


―――バシュゥン!!!


俺とノワールはあの世界へ転移した。

最後に聞いたのは、塗り替えていた世界が硝子の様に砕け散る音と、

軍の勝鬨の声だった。


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