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豹頭王異伝
転換
精神接触
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と曲がりくねった会話なんか、付き合っている余裕は無いんですから!

 こんな事、言ってる場合じゃなかった。
 今、行きますから!)
 珍しくも支離滅裂、ヴァレリウスらしからぬ非論理的な思念波。
 上級魔道師の混乱した心話を受け、ナリスは冷静さを取り戻した。


「落ち着け、ヴァレリウス。
 すると先程の心話は、私にしか聞こえなかった訳だね。
 心配は不要だ。
 未確認飛行物体の正体は、古代機械だよ。
 グインからの心話を他の者に聞かれぬ様、配慮してくれたのか。
 なかなか、役に立つ機械だね」

 普段と違い闇が凝結する手順を省き、魔道師3人とヨナが実体化した。
 黒い瞳を煌かせ、チェシャー猫の様に笑うナリス。
 魔道を超越した事態の発生に動転、決死の表情で現れた魔道師ギルド実戦部隊長。
 パロ最強の白魔道師ヴァレリウスは、思いもせぬ歓迎を受け棒立ちとなった。
 ヨナ、ロルカ、ディランも同様。
 小さな白い顔を見詰め、絶句。

 上級魔道師の理解を絶する事態だから、キタイの竜王の仕業に決まっている。
 グラチウスの可能性も、無くはないが。
 どちらにせよ、緊急事態だ。
 パロの白魔道師軍団には到底、太刀打ち出来ない。
 最悪のケースを想定して、ナリスだけは何としても逃がさなくては。
 想定外の事態に動転、切羽詰った表情《かお》でナリスの寝室へ駆け付けたのだが。

 絶体絶命の危地に陥った筈の主は、悪戯っ子の様な笑顔を見せている。
 殺気立っていた空気が呆気無く、光り輝く美貌の前に散って消えた。


「何を馬鹿みたいに突っ立って居るんだね。
 そんな表情、お前には似合わないよ」
 ナリスの光り輝く笑顔に想定外の衝撃を受け、思考停止状態に陥り凝固《フリーズ》。
 呆然自失の態で棒立ち、大きく口を開いた儘で凝視を続ける魔道師が漸く唇を閉じる。

 ヴァレリウスは名状し難い光で瞳を満たし、魂の主を睨み付けるが。
 顔面の筋肉も機能を回復、表情を取り繕い平静を装うが内心の歓喜は明白。
 満月の様に明るい輝きを投げ掛ける、悪戯猫の様な笑顔。
 拷問を受ける以前でさえ、こんな生命力に溢れる表情は見た事が無い。
 傍らのヨナと上級魔道師2人も神聖パロの総帥、ナリスの反応に思わず安堵し顔が輝いた。

「一体全体、どういう事なんですか?
 私の貧弱な脳味噌には荷が重過ぎます、全く理解できませんよ。
 あれが、古代機械ですって?
 まさかとは思いますが竜王の罠、新手の陥穽に翻弄されているんじゃないでしょうね?
 アレクサンドロスの昔から古代機械は聖都クリスタル、いや聖王宮の地面の下に在るんでしょう?
 聖王家の秘蔵品が消え失せたら、ヤヌスの塔はどうなるんです?」

「知らないよ、そ
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