第一物語・後半-日来独立編-
第三十九章 戦場で踊る者達《2》
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入直は思った。
正面にあるケースを見て、
「何発いける……?」
『十発射てればいい方だね。計算上、五発辺りからオーバーヒートの危険度がレッド』
「五発は射てるってことかい。まあ、機動性重視の騎神なら直撃しなくてもイケるだろうさ」
『じゃあね。緋翼に取り付けたアイカメラ越しに見てるけど、助言は必要?』
「いらん」
『了解』
と、言い映画面は消えた。
これは一対一の戦い。他人の手助けなど無用だ。
気を遣うだけのものは彼方は持っているようなので、ゆっくりと話すことが出来た。
お礼の代わりに、もう必要無いことを告げる。
「お待ちどうさん」
『案外短かったな』
「相手を待たされているんだ、会話を長引かせるわけにはいかないさ」
『なら、戦闘再開の準備は完了したってことだな』
「行こうじゃないか。こっちもやっと武器を手にすることが出来たんだからさ――!」
ケースへの火炎ノ緋翼は手を伸ばし、ケースの正面に映画面がロック解除の表示を行った。
青い線がケースを走り、直後にケースは四方八方へ飛び散った。
長方形をなしていたケースが無くなったことにより、収納されていたものが姿を現す。
それは火炎ノ緋翼のように緋く、日の光を反射に光沢を光らせていた。
緋と黒をベースにしたカラーリングの砲は火炎ノ緋翼に握られ、それによって砲は起動した。
起動するやいなや、もう砲からは陽炎が立つ。
砲を天に向かって上げ、砲口を彼方の騎神へ向かって下げた。
標準は完璧だ。
何も言わずに射つのはさすがに酷なので、この砲の名ぐらいは言っておこうと入直は口を動かす。
「吼えろ、炎熱火砲――!」
右手によってトリガーは引かれ、後から爆発するように、砲口から一線の砲撃が放たれた。
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