第一物語・後半-日来独立編-
第三十九章 戦場で踊る者達《2》
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には全長十五キロを越すあの化け物サイズの航空船を造れる程の技術を持った日来が、騎神の武器を造らないわけが無い。
しかし、今ここにいる騎神は武器を持っていないのは事実。
もし武器を隠し持っているとしても、その本体が見えないということは小型武器。
こちらを仕留めることは不可能。
行ける。
思い、向かって来る彼方をこちらは相対する形で迎え撃つ。
銃弾が鉄に当たる。冷たい音と共に、周囲には装甲が割れたために欠片が散る。
そのなかで右手一本、片手による斬撃を放った。
右から左へかけての一閃は確かに彼方を捕らえる範囲に放ったが、流魔刀の青い刃が切り裂くのは大気だった。
あまりにも軽い手応えに瞬時に反応、敵を視界に収めるべく周囲を見渡す。
が、姿を捕らえることは出来ず、変わりに聴覚機器により音を捕らえた。
上だ。
顔を上げれば、地上と身体を水平に保っていた緋の騎神がいた。
『イグニッションか!?』
それは加速機を一気に噴かし、余分に燃料を使う変わりに瞬時に短距離を行く移動方法だ。
特に珍しいものではないが、あんな風に一発本番で出来るものでもない。
だが、それが上手く行ったのは事実だ。
「こっちも反撃と行こうじゃないか!」
回避をする前に、彼方が放った打撃を受けた。
左拳による打撃は痛覚機器を通じ、意識へと痛みが伝わる。
打撃は顔面、それも顎の部分を的確に狙ったものだった。
揺れる視界のなかで乱れた姿勢を正し、緋の騎神がいた場所に銃撃を行う。
当たったようには感じなかったことから、彼方は回避を行ったのだろう。
視界から外れるように行く騎神を追い、加速機を噴かし追い掛ける。
●
やっと一撃を与えることが出来た。
追い掛けて来た戦竜から逃げるように火炎ノ緋翼を動かし、そのなかで入直は何処かすっきりしたものを覚えていた。
拳による攻撃を、彼方に当てることが出来たから。
こちらには遠距離武器は無く、近距離武器も無い状況だ。
これだったらあれ以外にも騎神用の武器を造っておくんだったと後悔するが、良く考えればそんなことを継叉が言っていた気がする。
そしてそれを自分が面倒臭いの一言を言い、やる気に満ち溢れていた継叉を抑え込んだ記憶がある。
つまり自分が悪い。
しょうがないさ、そうなっちゃたんだしね。まあ、あれさ、アタイは悪くないってことで……。
思いながらも戦闘は続いており、自分の顔すれすれに通る流魔刀に胸踊らせる。
今の火炎ノ緋翼と自分は一心同体だ。
どういう意味かというと、火炎ノ緋翼と自分は繋がっている。
火炎ノ緋翼が喜べば自分も喜び、嬉しければ自分も嬉しい。そして傷付けば自分も傷付き、痛ければ、自分も痛い。
だから今、左腕はすこぶる痛
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