第一物語・後半-日来独立編-
第三十九章 戦場で踊る者達《2》
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い、後は回避に集中するため口を閉じる。
自身の髪が乱れ、流れるなかで相手の姿を確かに目で捕らえていた。
●
辰ノ大花の騎神・戦竜を操る隊長の少年は目の前、こちらから逃げる日来の騎神を追っていた。
速度ではこちらが勝っている。何時でもその距離を縮められるが深追いは禁物だ。
慎重に、着実に攻めていく。
先程行った攻撃も成功し、彼方の騎神の左腕部を負傷させた。
武器装着部から短機関銃を放ち、その短機関銃が自動で敵に射撃を行う。
これは短機関銃にそのようにプログラムを組んでいたために、そのように出来たのだ。
仲間内では自分以外にこれをやる者はいなかったが、それが意外性をもたらし訓練ではあるものの幾戦の実戦を勝ち抜いてきた。
強くなるために、必死に考え編み出した戦い方の一つだ。
そして、強くなろうと思ったのは長を守るためだ。
いや、違うな。後輩に先輩としての威厳を見せ付けたかっただけなのかもな。
一つ下の長は自分にとっては守るべき存在であったが、現実ではこちらが守られる存在だ。
それが先輩として悔しくて、少しでも強いことを見せ付けたかったのだろう。
我ながら子どもだな、と思う。
今、その長は解放場と言う処刑場にいる。
御茶丸の前では吹っ切れたような感じを振る舞ったが、やっぱり長の死をただ眺めているだけでは気が済まない。
だから仲間内にはあることを伝えたが、それを外に漏らさないとも限らない。
そんな奴は後でボコろう、と考えた。
●
ネフィアと相対していた騎神は一瞬寒気を感じ、身震いをしてしまった。
意味深な発言したのにオレってカッコ悪っ!
何処かの誰かが、きっとカッコいい自分に嫉妬の念を送っているに違いないと納得する。
何故か顔を縦に振り、頷く騎神を見て、一方のネフィアはそれを不思議に思い首を傾げるだけだった。
●
左手に持った短機関銃を正面、逃げる日来の騎神に銃口を向けながら標準を合わす。
銃口を向けているからだろう。彼方は左右に揺れるように移動しているが、動きが単調で慣れてしまえばそれは意味をなさない。
トリガーに掛けている手に力を入れ、引いた。
耳障りな音と共に放たれる銃弾。
真っ直ぐに先を行く騎神に向かって行くが、急に彼方は逃げるのを止めた。
そして先程負傷した左腕を盾に、こちらに今度は前進して来た。
『馬鹿か!?』
とっさにその言葉が口から出た。
何を考えているのか。そんなことをしたら左腕が使い物にならない可能性があり、前進したところでこちらの流魔刀の攻撃範囲に入るだけだ。
そう言えば今更だが、彼方は武器を何も持たずに来た。日来は武装禁止だったため特に不思議ではないが、腰装着型加速機を造れる日来だ。
更
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ