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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十九章 戦場で踊る者達《2》
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 うん、うん、と咳払いをし、
「日来にいる騎神に詳しい奴や整備班のエリート連中と一緒に二年近く掛かって造った品物さ。流魔結晶を左右三枚翼の外側に取り付け、コスメ面の軽減や重量の問題を解決したんさ。さすがにアンタらみたいな高級なのは造れなかったけどね」
『騎神製造の経験が無い日来にしては良くなったと褒めたいところだが、機体の軽量化を意識し過ぎた点がマイナス評価だな。必要以上に装甲が無い』
「ナメてもらっちゃあ困るね。緋翼はそのお陰で戦闘用騎神相手に機動面では負けてないさ。諸刃の剣、て言う言葉が似合うじゃないか」
『その点では納得だ。が、たった六枚翼でその三倍近い計十六本の流魔結晶を使用した、こっちの加速機と渡り合えるとは思えないな』
 言葉通り、戦竜は十六本の流魔結晶を使った加速気機を携えている。
 翼のように開いた腰装着型加速機を閉じ、行き場を探す流魔によって爆発するように吹き出した流魔を利用し、新たに噴かすことなく火炎ノ緋翼と開いていた距離を閉じた。
 今は眼前にいる。
『これが実力だ。短距離ではこの加速機の性能をフルに引き出すことは出来無いが、得意でない短距離でもこの速度だ』
「ふ、そんな速度じゃ他国の機動性重視の騎神となんら変わらない。恐れるに足らないね」
『口だけは立派だが、なら実力の方はどうだろうな』
 背にある武器装着部から短機関銃が跳ね、宙で数回転した後に銃口を火炎ノ緋翼へと向けた。
 そして誰の手も借りずに、自動でトリガーを引き銃弾を放った。
「緋翼! ――防御だ!」
 とっさの判断で入直は火炎ノ緋翼に指示を出し、左腕による防御を命じた。
 加速機によるバックステップを入れ、その間に左腕を入直を覆うように防御の姿勢を取った。
 至近距離による射撃を受け、火炎ノ緋翼の腕部の装甲には銃弾がめり込んでいたが防ぎはした。
 何が起きたのかと考える暇は無い。今は相手との距離を離す。
 入直の正面には青の騎神と、それとは別に一枚の映画面|《モニター》があった。
 映画面が映しているものは、見なくても理解出来ている。火炎ノ緋翼の簡易的な図に負傷箇所を赤の点滅で、親切丁寧にアラーム付きで教えてくれてるのだ。
 しかし今は邪魔なので、表示された映画面を割ることで見たこととし、負傷した自身の騎神と共に空を一時的に後退していた。
 正面からは宙に放った短機関銃を左の手に握り、辰ノ大花の騎神が銃口を向けて追って来る。
 こちらは迫る騎神の方に顔を向け、背中を正面に向けた前進を行っており、背後を見ながらの回避行動中だ。
 まだなのか、焦る気持ちのなかで入直は思った。
 火炎ノ緋翼のために造った騎神用武器のことを思いながら、彼方の騎神により放たれた銃撃を避ける。
「あれが来るまで何とかもたせないとね」
 一言を言
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