第三十二話 少年期N
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ールに声をかけた柔らかい金髪を肩口で揃えた女の子。アリシアの髪はキラキラした感じだが、彼女の色は大人しく優しい色合いという感じだろう。俺もアリシアと同じように「メェーちゃん」と呼ばせてもらっている少女だ。なんか羊みたいな感じだし。
そんな彼女の隣を一緒に歩いているのが少年E。相変わらず眠そうというかぼぉーとしている。ちなみにメェーちゃんはデパートで顔面強打しても復活する女の子で、少年Eはプチプチ王決定戦の王者である。地味に濃いな。
「というか、メェーちゃん。また俺が変なことしているってひどくない?」
「え、違うの?」
「いや、そんな純粋な目で見られると、そうだけどとしか答えられないけどさ」
「答えるのか」
メェーちゃんと少年Bにジトッとした目で見られた。アリシアと少年Aの方を向くと、不思議そうに首を傾げられる。君たちはそのままでいてください。
ちなみに少年Eはそのまま荷物を机の上に置き、教室の端の方に張ってある用紙を見に行ったのを横目で確認。『給食の献立表』。おい、来て早々やることが飯の確認か。
「別にちょっとぐらい色々したっていいだろ。だってさ、基本このメンバーの中での俺の役割って、騒ぎのきっかけを作るか、騒いでいる途中でさらに燃料投下をするかぐらいの感じじゃんか」
「あー、確かに」
「アレックス、そこ納得しちゃだめだ。普通に性質が悪いだけだから」
とまぁ、こんな感じで朝はおしゃべりをして過ごすのが学校での俺たちの日課だったりする。お互いに気心が知れているので、結構みんな遠慮容赦がない。学校ではだいたいこのメンバーと一緒にいることが多いので、本当に退屈しない。
少しして先生が教室に入ってきたため、俺たちはまた後で、と声を掛け合って自分の席に座った。入学して間もないため、名前順で席が決められている。俺の席は教室の真ん中ぐらいで、アリシアの後ろになる。アリシアがそっと俺の方に振り向き、小さく手を振ってきた。俺もそれに振り返し、先生に見つからないうちにお互いに前へ視線を向ける。
まだ学校では、本格的に授業には入っていない。今日は学校の施設を見学するオリエンテーションの時間になると、昨日先生が連絡してくれたし。その詳しい説明を始めようとする先生を見ながら、口元に笑みが浮かぶ。
なんだかんだいって環境が変わることに不安はあったが、正直楽しみな気持ちの方が強い。2回目の学校だけど、つまらないと思わないのはここが異世界なのも大きいだろう。魔法という新しい教科に、新たな学問。そして新たな人間関係から始まる新しい日々。
俺とアリシア、それに空気が読める少年Aとツッコミの少年B、意外に厳しいメェーちゃんに不思議君の少年E。みんながみんなものすごく個性的だから、そんな彼らと作る学校生活に期
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ