第三十二話 少年期N
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ぐらいはかかるので、普通に遅刻確定である。いけねー、おしゃべりに夢中だった。未だに子どもニートだった時の癖が抜けていないらしい。
「……というわけでアリシアよ。準備OKでありまするか」
「うん、ありまする!」
「いってらっしゃい。気を付けてね」
コーラルの忠告後も、俺たちは綺麗に朝食を完食した。それから『ごちそうさま』をして、すぐに学校指定の茶鞄を手に持つ。母さんの言葉に返事を返し、俺たちは手を握った。それでは、いってきまーす。
転移。
「お、おはよー。少年A、B。みんなはまだ学校に来てないのか。遅刻か?」
「おはよう、アー君、ティオ君」
「あ、おはよう、アルヴィン、アリシア」
「おはよう、2人とも。あと、遅刻云々だけは君には言われたくないと思う」
学校に転移した俺たちはすぐに教室に顔を出し、顔なじみの2人に挨拶をする。明るい茶色の髪のほわぁーとしたのが少年Aで、半眼で俺にツッコんでいるのが少年B。普通に公園でいつも遊んでいるメンバーである。あと一応だが、転移登校は余裕がない時以外は使わない。歩くのは普通に好きなので。
ちなみに俺が転移を使えることはみんな知っていたりする。学校初日に配られた大量の教科書や荷物(2人分)を保護者説明会に来ていた母さん1人に持たせるのは大変ということで、転移でスパスパ捌いていたら先生に呼び出されたからだ。気持ちはわかるけど…、と何とも困った顔が印象の担任の先生だった。
「しかし、相変わらず新鮮味がねぇな。学校っていう新しい環境に来たのに、メンバーはほぼ一緒じゃんか」
「そうだねー。昨日も公園で遊んだばっかりだし」
少年Aは俺の言葉にうんうんとうなずく。周りを見渡すとちらほらと遊んだことがある子どもが何人もいる。そいつらと目があったので、手を振ったら振りかえしてくれた。自分で言うのもなんだが、俺はそれなりに顔が広かったらしい。
「……それじゃあ、新しい環境になったということで、『少年B』っていう呼び方をそろそろ変えてほしいんだけど」
「えー、俺の中で定着しちゃっているし」
「そのあだ名をつける癖なんとかならないかな。まぁ、まさかと思うけど、僕たちの名前を忘れてはいないだろうけどさ。……何で目を逸らすんだ」
少年Bの話に一瞬目が泳いでしまったが、とりあえず笑顔でごまかした。いや、忘れてはいないよ。気づくとど忘れしていることはあるけど、所要時間30秒ぐらいあればたぶん思い出せるよ。
「ごきげんよう、みんな。ティオール、アルヴィンがまた何か変なことでもしたの?」
「あ、メェーちゃん。おはよう」
「ん、メリニスか。おはよう。珍しいね、いつもはもっと朝早いのに……あ、リトスも一緒だったのか」
「……おはよう」
少年B――ティオ
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