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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第19話
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か、前にゼロとの考え方の相違を痛感した出来事があった。

俺の戦い方を、『地味』と称したのだ。

訳を聞くと、ISは魅せる戦いをする必要があり、派手な能力や武器が一つはあった方が良いと言った。

ここに、俺とゼロの決定的な違いが出る。

ゼロにとってはISの戦闘は能力の高さを示すパフォーマンスであるが、俺からすれば、互いの意地と誇りをぶつけ合う、外部の思惑を一切排除した純粋な真剣勝負だ。

故に、見かけや派手さを徹底的に排除し勝利を求める俺の戦法は、ゼロにとって地味で面白味のない戦い方に見えるのだろう。

が、『軍事兵器』としても運用されているISに派手さは不要だと俺は思う。

結局、その話は平行線のまま解決せず、今に至っているのだが。

「あの銀髪君、また人に迷惑かけてるの?懲りないなぁ…」
「…?真琴、彼女はゼロの事好きじゃないのか?」
「好きになる訳がない。絢子、あの手の男は大嫌いだから」

これは珍しい。あのイケメンフェイスに心を囚われない少女が居たとは!世間は狭いようで案外広いものだ。

そこからは酷かった。

やれ、自分は正しいと思い込んでいるのがいけない、やれ一夏や織斑先生を敵視し過ぎているのがいけない、女にだらしないのがいけないと、次々とゼロを批判し始めた。

「最悪なのが、我が儘で自分勝手なこと。他人の都合を考えない、何がなんでも押し通そうとする、都合が悪いことには目を向けない。まるで子どもそのもの」

不愉快そうに、絢子と呼ばれている少女は溜め息を吐いた。彼女も、ゼロに何かしらの関わりがあるのだろう、無闇に踏み込まず、妹の意見を聞いてみる。

「真琴はゼロをどう思ってる?」
「許されるなら今すぐ八つ裂きにしたい」

物騒だな我が妹!

「ただでさえ兄さんに散々苦労をかけて、あげくの果てに一方的な暴論で兄さん達を痛め付けたのに、許せると思う?前々から嫌いだったけど、より一層嫌いになった」

妹の目に光彩がありません、誰か助けてください。
「あれでよく女の子達が離れないよね」
「あの男は自分のハーレムには優しいから。他はおざなりだけど」

俺そっちのけでゼロ叩きに盛り上る美少女二人。但し目に光彩はなく、全身から冷たいオーラが滲み出ている。

ゼロは人気が高いが、嫌う生徒も少なくないらしい。満遍なく好かれる一夏とはエライ違いである。

俺はあまり話題にならない。話しかければ返してもらえるし、然程嫌われている訳でもない。まあ、例外はあるが。

少女二人は矢鱈物騒な会話を続けていて、俺に気を向けていない。今が好機と屋上を後にし、ようやく自由を得た。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

その夜、一夏と今度の戦闘の相手は誰なのだろうか、ととりとめのない会話をし
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