第19話
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任してるんで、俺は連絡待ち。ボーデヴィッヒとは必ずまたやるから、待っててくれ」
「そうか。教官にか。ならば仕方無い。その時まで、私はい、一夏をと、虜にして待っていよう」
ボーデヴィッヒ、頬を赤らめて一夏をちらちら見ながら喋るのは止めなさい。外に篠ノ之達が能面のような表情でいるから!!
先の経験を活かし、遮二無二教室から離脱する。背後で一夏の助けを呼ぶ声が聞こえてきたが、それどころじゃないほど、俺は必死に逃げていた。
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はてさて、無我夢中で走り抜け、どの様な経路をとったかさっぱり記憶にないが、何故か、何故か屋上にたどり着いていた。
屋上と言えば、この学園では憩いの場、昼は生徒で賑わうが、生憎今は放課後、こんな場所に好き好んで来る物好きは…、居るんだな、困ったことに。
先月、俺を辟易させた、妹のお友達がまたもや歌っていた。歌が好きならカラオケにでも行けばいいじゃないか、とは思うが、女の子は色々な事にお金がかかる、と言うことにしておこう。
歌うのに夢中で、向こうも気付いてないし、さっさと退散退散。
ここまで来れば巻き添えになることもない、落ち着きを取り戻した俺は踵を返し、屋上を後に…、出来なかった。
「兄さん?…今日はついてるかも」
妹の真琴に見つかったからだ。
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嗚呼、面倒な人物に捕まってしまった。
「真琴、何で屋上に?」
「放課後は大抵『絢子(アヤコ)』と一緒に屋上に居る。兄さんも毎日来たら?」
来ねえよ。
「まあ、友達と仲良く出来てて何よりだ。さあ、俺は帰ろうじゃ「あっ!丹下智春君!!」帰れないじゃないか…」
歌っていた妹の友達にも見付かりました。
「兄さん、ゆっくりしていってね?」
「……うん」
もう逃げるのを諦め、妹の隣に腰を据える。別に会話するだけだ。満足したら先に帰るだろう。それまでの辛抱だ。
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「ソレでね、そこでマコちゃんが!」
「うん…、うん…」
「絢子もそこで…、」
「そうか…、そうか…」
どれだけたっただろうか、既に日は傾き、空は茜色に染まっている。
少女二人の話題は尽きないようで、一向に状況が好転する兆しはない。
昔から女は三人集まればかしましいと言うが、それを声に出して否定したい。
二人でも凄くかしましいと。
もう相槌をうつのも限界だ、そろそろ終わってくれ…!
「そう言えば、兄さん。次のISの試合、放映されるって本当?グランツさんが言ってたけど?」
「…あの男は…、何処まで俺を困らせるのか…!」
本人に悪気はまったくないのだろう。それどころか、アピールの好機とでも考えているのだろう。
いつだった
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