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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第3話 「治療できないからです! 少し黙って!」
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…」
「もごぉっ!?」
「で、これを繰り返し……」
「もごぉぉぉぉぉぉっ!?」

 うんうん。
 肉に刺してー出してーまた刺してー……

 麻酔無しでやっているのだからそりゃ痛いよな。
 俺も何度かやったことあるが……大丈夫だ。
 そのうち痛みが快感に代わればいいと念じて……気絶するから。

「き、桔梗……ほん、ほんとにこれ、治療なんですか?」

 黄忠さんが恐々としながら尋ねてくる。
 かなり顔が蒼白になっている……無理もないか。
 この時代に縫合技術なんてあったかどうか。

「大丈夫……こうしないと失血死します。ただでさえここにくるまでに大量に血を流した様子……人間ってね、全身の血の三分の一も減ると危ないんです。しかもこの世界じゃ輸血も出来ない……血を失うのは非常に危険なんですよ」

 なにしろ血液型もわからないのだ。
 判別方法がない。
 点滴は何とかなるかもしれないが……

「そうだ……(こうじ)か酒粕、甘酒ってありますかね?」
「甘酒? 今はないけど……酒粕ならあるよ」
「あ、あるんだ……なら問題ないか」

 甘酒って……いつの時代からなんだろうな。
 まあいいか。

 きゅっとしばって……よし。

「ふう……背中の縫合終了っと。後は消毒して……さて他の傷をって、あれ?」

 気がつくと、厳顔さんが動かなくなっている。

「桔梗? 桔梗!?」

 黄忠さんの声が響く。

「死なないで、桔梗ーっ!」
「いや、死んでないから」

 女将さんは、ピクピクと動く足を押さえてそう呟いた。




  ―― 黄忠 side ――




 桔梗の手当てが終わった翌日。
 気がつくと、寝台で目が覚めた。

「あら……わたくし、いつの間に」

 確か昨日は、桔梗の手当てが終わった後。
 後……どうしたのかしら?

「ええっと……」

 少し重い頭を振り、起きようとする。
 と、胸の服を引っ張る手があった。

「むにゃ……おかあさん」

 あら。
 璃々が、私の服を掴んで眠っている。

「ということは……ここは昨日泊まった部屋?」

 窓から外を見れば、すでに陽は高く昇っている。
 わたくしは、璃々の手を静かに掴んでいる服からはずすと、寝台から起き上がった。

 衣服は昨日のまま……どうやら気を失ったか眠り込んでしまったらしい。

「! そうだわ、桔梗……」

 昨日、あれだけのことがあったのだ。
 桔梗は無事かしら……?

 急いで部屋から出ると、北郷さんのいる部屋の扉を軽く二、三度叩く。

「はい」

 中から男の人の声。
 これは……宿の主人かしら。

「すいません。黄忠ですけど
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