暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第2話 「石を掘りにいくんですよ」
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
約されていた。足は基本踏みしめはするが、蹴りなどはあまり使わない傷のない肌……近接でなく遠距離が得意なタイプか)

 遠距離武器を主体に想像を修正して、それに対する戦闘を練る。

 弓、投擲、投げ槍……クロスボウなど、どんな武器を使おうとしても、相対(あいたい)して動きを封じる殺陣(たて)の組み立てを想像する。
 そして最後には必ず、向かってくる彼女の背後に回り、羽交い絞めにして首を――


 ドンドンドンドン!


「!?」

 不意に鳴った音で我に返る。

 気がつけば窓の外は暗くなっており、部屋の中に灯りもなく闇の中。
 どうやら、脳裏でシミュレーションをしている間に、相当時間が経っていたらしい。

 俺が寝台から起き上がると、扉のほうへと向かう。

「すまん! ここに黄忠という女性がおるはずじゃ! っく……よ、呼んでもらえんか!?」

 大声で宿の主人と話す女性の声がする。
 黄忠……確か、そういったな。

 俺は扉を開けて、入り口の方を覗く。
 灯りに照らされた、その人物の姿を見て驚く。

 服は破れ、ところどころに血の痕がある。
 全身は泥だらけで、今も足元から血がかなり滴り落ちていた。

 持っている巨大な剣のような武器を杖代わりにしている。
 何故かリボルバーのようなものがついているが。

「桔梗!?」

 部屋から出てきた黄忠さんが、声を上げる。
 知り合いなのか?

「いたか、紫苑……すまん、不覚をとった」

 女性はそう言うと、がくっと膝を折る。

「桔梗!」

 黄忠さんが駆け寄り、その身体を支える。
 俺は扉を開け、彼女達の傍へと駆け寄った。

「……傷を見せてください」
「ふっ……こんな傷、どうということはないわい。それより紫苑、まずいことになった」

 俺の手を払いのけ、黄忠さんを見る女性。

「なにがあったの!?」
「……白帝城の太守が、攫われた」

 その言葉に、宿中の人間が凍りつく。
 だが俺は……彼女の血と泥だらけの姿の方が問題に感じていた。

 このままでは彼女は……死ぬ、と。 

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ