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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第2話 「石を掘りにいくんですよ」
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。わしはここに残って紫苑に会いにゆく」
「将軍ご自身のみですか!? 誰か護衛に……」
「いらん! わしを誰だと思うておる! 賊なんぞ一人で倒せるわ!」
「は、はあ……」

 ちょうど、モヤモヤしとったところじゃ。
 紫苑と一緒に酒を飲むのも悪くない。

「わしはすぐに待ち合わせ場所に行く。あとは任せたぞ」
「は! お気をつけて!」




  ―― 黄忠 side ――




 わたくし達の泊まっている宿、この街では唯一風呂がある宿。
 値段は少々高いが、部屋もそれなりに過ごしやすく、子供がいるわたくしにとっては実に助かる場所だった。
 とはいえ……紹介する以上は、あまり高いと失礼になる。
 宿の主人には、少しまけて貰う交渉もしようかしら。

(北郷さんには、部屋がありそうと言ったけど……まだ空いているかしら?)

 宿の扉を開けて、扉周辺で掃除をしていた宿の主人に声をかける。

「すみません」
「ああ、おかえりなさいませ。今日は風呂が沸いておりますよ」
「あら、それは助かります……すみませんが、部屋をもう一つ用立てられます?」
「は? ええと……ああ、一部屋でしたら空きがありますな」
「ああ、よかった」

 ほっとして、にこやかに微笑む。
 宿の店主は、ぽっと顔を赤らめた。

「では、一人お願いします……北郷さん、お部屋空いているそうですよ」

 わたくしが呼ぶと、璃々を肩車しながら北郷さんが入ってくる。
 入り口の縁に璃々が頭をぶつけないように膝を曲げ、ゆっくりと……くす、優しい方。

「助かります……代金はいかほどで」
「今日は風呂日ですので……薪代含めて百五十銭になります。食事なさるのでしたら一食三十銭頂きますが」
「なら一泊と……黄忠さん」
「はい?」

 璃々を肩に乗せたまま、くるっと振り返る北郷さん。

「夕食はこちらで?」
「ええと……先程食べてしまいましたし、今日はもうよろしいかと」
「そうですか。じゃあ……明日の朝食分、黄忠さんと璃々ちゃんの分も合わせて……いいや、六百銭渡しとく」
「え!?」

 六百銭……もしかして、わたくし達の今日の宿代も?

「紹介したのはこちらです。そんな……わたくし達は、別にお支払いしますわ」
「ああ、気にしないでください。いい宿を教えてもらったお礼ですよ……はい、六百銭。残りは……いいや、親父さんにあげるよ」
「いやいやいや! こんなに頂けませんや! 二食分の代金はお返しします!」

 ………………

「んー……じゃあ、その分でなにか日持ちしそうな食べ物用意できる?」
「日持ちしそうな、ですか? 私じゃちょっと……家内に聞いてみます。お部屋は一番奥ですよ」
「んじゃよろしく……あれ
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