第一部
縮まる距離。
二人だけで(二匹アリ)
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は憎悪と殺意、この両方しかなかった。
レオンたちがあたしを信じてくれるようになった時からあたしは少しずつ変わっていったけど
あたしの人生をめちゃくちゃにしたのは、紛れもなく男≠ニいう名の生き物。
リノ「あたしはずっと独りだった。レオンたちが信じてくれるって言ってくれる数分前まではずっと・・・独りだった。
・・・虐待されて、罵声を浴びせられて・・・信じたくても信じれなかった。
あたしを産んでくれたアイツらを少しでも愛そうって幼い頃のあたしはずっと考えてた
信じてた、信じて、信じて・・・けど、あたしは騙された」
そこまで言った時、
あたしは自分が泣いてるのに気付いた。
憎悪の塊の涙か、それとも悔し涙か、空虚さの涙か・・・
よく分からなかった。
エース「リノ・・・っ」
名前を呼ばれて、下げていた頭を上げると
―――ギュっ
今日までで何度目かは分からないけど、
今までで一番強くあたしを抱きしめていた
・・・ずっと思ってた。
一度はこうして、抱きしめて欲しかった
偽りでもいいから抱きしめて欲しかった。
血の繋がった兄じゃなくても一度でも一緒に笑いたかった
けど、理由も分からないままそれはただの夢に終わったんだ
・・・・・あたしが辛かった時、優しく頭を撫でてくれたマルコとは違って
エースは力強く抱きしめてくれた
エース「・・・言ってくれてありがとな・・・リノ」
リノ「っ・・・っぅう…」
レオン『・・・・・リノ』
マール『・・・リノもようやく、昔の事を吐き出したか』
二人が、あたし達の話を聞いていたとも知らずに
あたしは初めて男の腕の中で泣いた。
・・・この時に、あたし自身が一番理解していたと思う。
人間不信だった心が、少しは軽くなったのかもって
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