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ドン=ジョヴァンニ
第二幕その十九
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んで」
 レポレロは面白そうではなかった。それが何故かは自分でもわからないようである。
「それから新しい旦那を探すとするか」
「あの悪党は死んだけれど」
「地獄に落ちたけれど」
 そして皆で言い合うのだった。
「死んでしまうとどうにも」
「味気ないものですね」
「罪深い者は報いを受けるけれど」
「いなくなったらいなくなったで」
「まことに寂しいもの」
「全く以って」
 そして全員で言うのであった。
「いなければいないで」
「味気なくなるものなのかしら」
 皆何処かジョヴァンニを懐かしむのであった。悪党ではあっても。今彼は地獄で美女達を探し悪霊達と剣を交えているのではないかと思いながら。何処か懐かしんでいるのであった。


ドン=ジョヴァンニ   完


                 2009・8・12

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