第5話 二人は家族と出会うようです
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ノワール
―――チュンチュンチュン、
「ん……。」
ああ、そうか、もう朝か・・・・だが・・・・
なんだか、暖かいな。それに、とても安らぐ・・・。
抱き枕・・・か?私より10cm程しか小さくないから、そうだろう。
しかし、私は昨晩、何時寝たんだろうか?記憶が無い。
ん?いや、違う、昨晩では無い。たしか、そう。私は昼過ぎに寝たんだ。
シュウに嫌われたかと思って、また優しくされて、
そして、泣き疲れて寝てしまったんだ。
くぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!///はっ、恥ずかしい!!///魔王とあろう者が、
人に縋りついて甘えた声出してキスされて泣き疲れて寝るとか・・・子供か!!
ラブコメなのか!?それともギャルゲとやらか!?
と私が悶えていると、抱き枕がモゾモゾと動く。・・・ん?
いや、抱き枕は動かんよ。それにこれは、私が抱かれて―――
「…ん……。」
「あ………。」
私が抱き枕だと思っていたのはシュウだった。
その寝顔は彫刻の様に整っていて、宝石の様に綺麗だった。
私を抱く腕は少し力を入れただけで折れそうな程細く儚げで、
でも、どこか頼りがいがあった。
生前とは全く違う、少女にしか見えない顔。細い腕と肩、狭い背中。
でも、同じように馬鹿馬鹿しく優しい愚か者。
私が唯一、共に居たいと思った人。私のいとしいひと。
「良かった…………。」
そう、よかった。
シュウの心は、私と同化させてから読めなくなってしまった。
そのせいでたまに不安になることもあった。だが、彼は優しくしてくれた。
彼と居られるのが嬉しい。彼が私の事を好きで居てくれるのが嬉しい。
そう思ったら、また涙が込み上げてきた。
ああ、私は弱くなってしまったな。こんな、ただ一人の事を考えるだけで、
こんなにも嬉しくて楽しくて、切なくて悲しくて。胸がいっぱいになる。
涙なんて投獄されて100年程で枯れてしまったと思っていたが、
二日続けて泣いてしまうとは。
ああ、ダメだ。早く泣き止まないと。じゃないと――――――
「なんでお前は朝一から泣いてんだよ……?」
シュウが起きてしまうと言うのに。
Side out
Side愁磨
―――グスッ・・・ふぇ、っうう、ヒック・・・
近くで女の子の泣く声がして、俺は起きた。
目を開けると、眼の前でノワールが泣いていた。・・・またか。
なんだ?泣き癖でも付いたか?全く・・・。
「なんでお前は朝一から泣いてんだよ……?」
と、俺
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