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少年は魔人になるようです
第5話 二人は家族と出会うようです
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両手が置かれ、弱々しく握られる。と、


「愁磨ぁ……」


泣きそうな、いや、もう泣いているノワールの声が聞こえる。


「嫌だよ…私を嫌いにならないで……私を…一人にしないでよぉ……

もう、一人は…独りは嫌だよぅ……シュウ、シュウぅ……返事してよぉ…。」


俺は布団を撥ね退け、ノワールを思いっきり抱きしめる。

するとノワールの体ははビクリと震えた。

・・・さっきと同じ様に柔らかいが、さっきとは違い、すごく冷えていた。


「全く、馬鹿だな……。」

「ぅえ…ごめんなさい、ごめんなさい、シュウぅぅ……私を――」


ホントに馬鹿だよなぁ。あんな事で拗ねて一番大切な人泣かすとか。

ああ、ホントは場所整えてやりたかったんだけどなぁ。衝動では

やりたくなかったんだけどなぁ・・・まぁ、こう言うのもアリ、かなぁ?


「私をきr――ンッ!?」


うるさい口を塞いでやる。いや、俺自身、初めてだからよく分からんが、

とりあえず、悲しい顔をされてるのが嫌だった。まぁ、俺のせいだが。


「んん!…ん、ん……、んっ。……チュ、んちゅ……ン…」

「ノワール…///ン……ちゅ、んん……ん……」

「ン…フ、んっ……ッちゅ……フゥ、シュ、シュウ?///」


唇を離すと、ノワールが真っ赤な顔をしていた。俺もだろうが。

そしてノワールを抱き締めなおす。


「俺がお前を嫌いになんてなるわけ無いだろうが…全く……。」

「ふぇぇえぇ…。」

「ごめんな、ちょっと、よくわからないんだが。拗ねた?だけだから。

……お前をもう独りにしない。一人になんてさせないから。

もう二度と悲しませない。だから、…笑っていていてくれないか?」

「ふっ、うぐっ、ぅええええええええええええええ!!!」

「だから泣かないでくれって、もう……。」


俺はノワールが泣き止むまで抱き締めている事にした。





・・・・数十分後、ノワールが静かになった。

「もう大丈夫か?ノワール。」

「………。」

「の、ノワール?もしかして怒ってる?」

「・・・・すぅ・・・・・・・・・すぅ・・・・。」

「……なんだ、寝ちまったのか。」


ノワールをベッドに寝かせようと運んで、下ろす時に、服を掴まれている事に

気がついた。


「………まぁ、この場合はしょうがないか。」


独りごちると、俺はノワールと一緒のベッドに寝転がると、眠ることにした。


「…おやすみ、ノワール。」


この少女が明日は、笑って居ますようにと願いながら。



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