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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第1話 始まりの日
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いつの間に近くに来たのか。
アリサやすずかに咎められる。
それを無視し、眠りに付こうとする。
今日もなのはを引き摺って疲れた体力を回復させないと。


「コラ!葛葉!」

「まぁまぁ、アリサちゃん」


無視して、瞼を瞑る。
心地よく、微睡みに落ちる。
起こそうとするアリサをすずかが宥める。
その近くになのはも近付いてきた。


「にゃははは…葛葉はいつも通りだね」

「もう…これじゃあ、なのはの事言えないじゃない」

「にゃ!アリサちゃん、どういう意味!?」

「そのままの意味だと思うけど…」

「すずか…アンタも酷いわね」


眠る葛葉の机の周りで騒ぐ三人。
男子勢から羨望の眼差しを感じるが無視をする。
全く、静かに寝かせてほしいものだ。





暫くして授業開始のチャイムが鳴り、三人は葛葉の席から自分の席へと戻っていく。
午前の授業を全て睡眠に費やし、お昼休み。
四人 弁当を持参し屋上へと向かう。
屋上にあるベンチに腰掛け、弁当を食べながら談笑する四人。
すると、なのはが三人に将来の夢について聞いてきた。
葛葉が寝てる間の授業で先生に出された課題のようだ。
アリサやすずかは、朧気ながら自分のやりたい事を話す。
葛葉も無難な夢を語ろうと口を開く。


「そうだな……翠屋の二代目店主かな〜」

「何よ、なのはと似たようなものじゃない」

「将来の夢と言われても、難しい課題だよ?」

「だよね〜 」


葛葉の言葉にすずかも同意する。
漠然と将来の夢と言われても解らない。
まだ、子供である自分。
前世で死んだ時の年齢は18歳。
色々と先行きを考えなければならなかった年齢であったが、何も決めていなかった。
否……決めようとしていなかった。
元よりこの身は、未来を選べる身分でなかった。
現世においても同じ事。
神に願い、わざわざ与えてもらった“力”も使い道が解らない。
前世の事を少し思い出していると、なのはが声を掛けてきた。


「葛葉?」

「ん?何、なのは」

「どうしたの?何か難しい顔してるけど…」

「……何でもないよ」


顔を覗きこみ、尋ねてくる。
なのはの問いに心配を掛けないよう首を振る。
口元に笑みを浮かべながら、頭を撫でる。
いきなり撫でられ、理由が解らず、不思議そうな顔をする。
なのはの頭を撫で終えると別の話題で話を逸らし、弁当に口を付けながら、話を続けた。
楽しく談笑をしながらも、頭の隅で考え続ける。

2度目の人生を与えられた。
自分は恵まれた存在だろう。
しかし、当の本人はあまりにも“生きる目的”が欠如している。
生まれ落ちて、9年。
前世と合わせれば、27歳
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