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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十四話 ヴァンフリート星域会戦 その3
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隊に最大出力で発信“ヴァンフリート4=2後方基地に敵一個艦隊襲来、早急なる救援を求む”以上だ」

サンバーク少佐の命令に従い、押っ取り刀で駆けつけた通信参謀が直ぐさまコンピューターで暗号を組み、FTLで連絡を始める。

「駄目です!敵の妨害電波が強すぎで外部との通信が不能です!」
「馬鹿な、レーザー通信に妨害は効きづらいはずだ」
通信オペレーターの悲鳴に通信参謀が叱責する。

その言葉に中将は不安そうな顔を益々歪めながら通信士と通信参謀に詰め寄る。
「どうしたというのだ!」
「レーザー通信回路は正常に働いていますが……」

通信士が絞り出すような声で中将に報告する。
その横で、原因を調べていた通信参謀が苦虫を噛みつぶした様な顔で報告する。
「閣下、原因が判明しました。蝕の関係で通信波がヴァンフリート4に遮られてしまっています」

「何だと、そんな事最初から判っていたのではないか!」
「確かに基地建設時に通信波の乱れの原因を調べ、原因が4=2と4と他の衛星との干渉にあると言う事で、その改善を後方勤務本部のロックウェル少将に提出しましたが、予算の関係と後方基地であるとの理由で却下されています」

「馬鹿な、ロックウェルは何を考えているんだ!」
「各衛星に通信中継用の基地局開設ですから、無駄だと思ったのでは?」
サンバーク少佐が眉間に皺を寄せながら答える。

しかし少佐の言葉より、中将はどうするか判らずにオロオロしていた。此はケスラー艦隊からの通信が入るまで五分程続いた。




「敵艦隊より通信入っています」
オペレーターが中将を見ながら報告する。
「お出になりますか?」

サンバーク少佐が副官として尋ねる。
「判った繋いでくれ」
少し考えた末にセレブレッゼ中将が少佐の言葉に頷く。

「帝国軍と通信繋ぎます」
オペレーターがスイッチを操作し司令室内の大スクリーンに相手が映る。スクリーンに映ったのは年の頃三十代程の少壮の中将と同年代に思える鼻髭を生やした少将そして若い准将であった。

スクリーン越しにお互いに敬礼をする。
『銀河帝国宇宙艦隊所属、艦隊司令官ウルリッヒ・ケスラー中将です』
『同じく、艦隊参謀長エルネスト・メック リンガー少将です』
『銀河帝国装甲擲弾兵総監部所属、アルフレッド・フォン・ランズベルク准将です』

「自由惑星同盟軍所属、シンクレア・セレブレッゼ中将です」
些か人数的に釣り合わないが、元々後方基地が故に副司令官や参謀長が任命されていなかった為、セレブレッゼ中将一人で相手をせざるを得なくなった。

『率直に言いますが、貴基地は当艦隊の包囲下にあります』
「それはそうだが」
『我々としては貴基地に全面降伏を勧告致します』

「そっそれは……」

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