瑠奈の力
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いん
だけど……どうもそれだけじゃない気がするのよね」
「ふむ。では調べてみるかの荷物を置いたらわしのところに来い」
「了解。じゃあ行きましょう瑠奈」
そういうと千李と瑠奈は手をつなぎ部屋に行った。
二人の後姿を見ながら鉄心は嬉しそうに笑っていた。
荷物を置き終えると千李は瑠奈とともに鉄心の元にやってきた。
「来たのう。では瑠奈や眼帯をはずしてくれるか?」
「はい」
瑠奈は素直に返事をしかけられている眼帯をはずした。
その瞬間抑えられていたであろう瑠奈の気が辺りに放出された。その瞬間瑠奈は一
瞬苦しそうな顔をしたが千李が肩に触れると少しそれが和らいだ。
……うん。瑠奈の気は本当に強い。鍛えればたぶん壁を越えられる。
千李が思っていると瑠奈が閉じていた右目を開いた。
「ほう……」
「これって……」
瑠奈の瞳を覗き込むとそこにあったのは金だった。
そう、瑠奈の右の瞳は金色だったのだ。
金の瞳はまるで龍のようだった。
「うむ。もうよいぞ」
鉄心が言うと瑠奈は眼帯をかけなおす。
眼帯をかけなおした瑠奈は隣にいた千李の腕に抱きついた。
それを千李は優しく抱きとめながら頭を撫でる。
「ふむ……瑠奈のこの瞳は龍眼≠カゃな」
「りゅうがん?」
「なによそれ?」
二人の質問に対し鉄心は軽く咳払いをし続けた。
「龍眼≠ニ言うのはな。伊達家の何代かに一人受け継がれている特殊な瞳のことじ
ゃよ。そして龍眼≠ノはある特殊能力のようなものがあっての」
「それって?」
千李が聞くと鉄心はさらに続けた。
「龍眼≠持つものは武器を極めることができると言われておる。それは刀であっ
たり槍であったり弓であったりとさまざまじゃ。かの伊達政宗も龍眼を持っていて刀
を極めたと言われておる」
そのことに千李と瑠奈は二人で頷いた。
「じゃあ瑠奈も鍛えれば相当な力が得られるってことね」
「そうなるのう。しかしそれを決めるのは瑠奈本人じゃ」
鉄心は言うと瑠奈のほうを真剣な面持ちで見つめる。
すると瑠奈は考えるような顔をしたが少しすると答えを出した。
「……私はつよくなりたいです。つよくなってお母さんのとなりに立っていたい」
瑠奈の発言に鉄心は短く笑うと静かに頷いた。
「わかった。では瑠奈は今日このときよりここ川神院の門下生とする。担当は千李お
主がやれ」
その言葉に瑠奈はとても嬉しそうに千李を見上げた。対する千李も瑠奈を撫でなが
ら優しく抱きしめる。
千李は瑠奈に聞いた。
「瑠奈、後悔はない?」
千
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