瑠奈の力
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川神に到着した千李と瑠奈は川神院に向かっていた。
と言っても瑠奈のほうは電車に揺られいい感じに眠くなってしまったのか千李のお
ぶられすやすやと寝てしまっている。
……それにしても瑠奈の眼帯気を抑えるだけの効果じゃなさそうだけど……何の効
果があるのかしらね。
背中で寝息を立てている瑠奈の右目に装着されている眼帯を気にかけながら歩いて
いると、不意に声をかけられた。
「おう、千李なにやってんだこんなとこで」
千李が振り返るとそこにいたのは釈迦堂だった。
「どうも釈迦堂さん。そっちこそ大の大人が真昼間っから何やってんですか?いい加
減働いた方がいいんじゃないですか?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら千李が言うと釈迦堂は一瞬苦々しい顔をしたがすぐ
に平常に戻り、
「まぁそういうな千李。俺だって全く働いないわけじゃねぇ、不定期でたまには仕事
してるんだぜ?」
「いくら働いてるって言っても不定期じゃあ甲斐性が心配になりますね」
反論に対し釈迦堂はついに折れたのかうなだれた。
「つかお前は本当に容赦ねぇな昔から……ところでお前がおぶってるそのガキ一体誰
だ?」
釈迦堂が瑠奈を一瞥して言うと千李が冷静に答えた。
「この子?私の娘ですよ」
「ああ、お前の子かそうかそうか。まぁそんだけなんだ」
「そうですか。じゃっ」
「おう」
そうして二人は分かれた。
はずがなかった。
「ちょっとまて!!」
進もうとする千李を釈迦堂が呼び止める。
その声に千李は釈迦堂をにらみつける。
「なんですか?瑠奈が起きるから大声やめてくださいよ」
「ああすまねぇ……だからそうじゃねぇ!!そのガキがお前の娘だぁ!?」
釈迦堂がそういったところで釈迦堂の頭を千李が掴んだ。
そしてそこからメシメシと骨が軋む様な音が聞こえ始めた。
「だから大声やめてくださいって言いましたよね?」
「……お、おうわかった……だから離せ……」
意識を朦朧とさせながら弱弱しく釈迦堂が言うと千李は力を緩め離す。
解放された釈迦堂はしばらく頭を抑えていたが少しすると千李に聞いた。
「お前いつの間に男なんかいたんだ?つか子供まで」
問いに対し千李は小さく笑うと釈迦堂に告げた。
「実の子じゃありませんよ、養子です」
その言葉に納得したのか釈迦堂は頷いた。
「そういうことか、いや〜焦ったぜ」
釈迦堂が言ったところでおぶられていた瑠奈が目を擦りながら目を覚ました。
「んぅ〜……?ふぁあ…もう着いたのお母さん?」
瑠奈が千李に聞くと千李は優しく答えた。
「起こしちゃった
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