機動戦士ガンダムSEED
番外編013話 0209.5話
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Iは幾多もの敵を滅ぼしてきた戦闘用のAIなのだ。MSに乗って2週間程度の訓練しかしていない男の放つビームなど、AIにとって回避するのはそう難しい話ではない。
「くそっ、何で当たらないんだよっ!」
懲りずにビームを放つ男だったが、その攻撃は一発も命中しないまま徐々に虫型MAとの距離が詰まり……
「ちぃっ、照準の狂ってるビームライフルなんか当てになるかっ!」
男はビームライフルを海へと投げ捨て、機体の背に装備されているビームサーベルを抜いて構える。
「うおおおおおおおおっっっ!」
こちらへと近寄ってきた虫型MAの頭部へと向かってビームサーベルを振り下ろすが、不規則に動かれて狙いを付ける事も出来ずに回避される。そして……
「離せっ、この!」
虫型MAはビームサーベルを持った右手をその口に咥え、空へと浮かび上がっていく。
「くそっ!」
男は必死でストライクダガーの頭部に装備されたイーゲルシュテルンで虫型MAを狙う。この至近距離からならまず外さないだろうと確信してトリガーを引いたのだが……
「ふざけるなこのクソ虫が!」
確かに男の目論見通りにイーゲルシュテルンはほぼ全弾が虫型MAに命中した。だが、その結果は男をさらに絶望の淵へと引きずり込む。虫型MAは目立った損傷を受けてはいなかったのだ。
そして男が吐き捨てている間にも、周囲から何機もの虫型MAが集まり……
「来るな……来るなぁぁぁぁっっっっ!」
男が自分の愛機として信用していた機体は、足を噛み千切られ、腕を噛み千切られ、そして頭を噛み千切られ……最後の胴体にあるコックピットへと虫型MAが殺到する。
「あ、あああああ、だ、誰か……助け……母さん…」
その言葉を最後に、ストライクダガーはバッテリー部分をメギロートに噛み千切られてパイロット諸共爆散し、男の意識は永遠に消え去った。
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