スーパーロボット大戦OGs
番外編003話 0055.5話
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L4宙域に浮かぶ人類初の密閉型スペースコロニー第1号基、エルピス。そのエルピスにある連邦宇宙軍基地の1室で、レオナは1人呆気に取られていた。
自分の信頼し、敬愛する上官であるユーリア・ハインケルが唐突に地球へ向かうと言い、部屋を出て行ったからだ。
正直レオナとしては地球での反乱がこの宇宙にいる自分達にそう影響があるとは思えなかった。放送に映っていた人物の言う通り、確かに連邦軍上層部の腐敗は目に余るものがある。
だが、それとてブランシュタイン家の影響力が強いこのコロニーでは他の場所に比較すれば汚職の広がりは少ない。
「エルザム様、カトライア様。私はユーリア隊長に付いていくべきなのでしょうか? それとも、このエルピスを守る為に残るべきなのでしょうか?」
忌まわしきエルピス事件で亡くなった2人に心の中で問い掛けるが、心の中の2人は答えを教えてはくれない。
だが、その時。唐突に自分の中で何かを感じた。
「このままユーリア隊長を1人で地球に行かせてしまっては、もう戻ってくる事はない? 何でそんな風に感じるのかしら?」
それはレオナ自身未だに覚醒していない念動力が教えてくれたものであったのかもしれない。
だが幸か不幸かレオナは念動力の存在を知らなかった為、深く考える事なく決断した。
「そう、ユーリア隊長はトロイエ隊の隊長。ならその部下である私達はユーリア隊長と共にいるのが当然なのよ」
決断してからの行動は早かった。すぐに他のトロイエ隊のメンバーへと連絡を取り、自分やユーリアと共に地球へと向かうよう頼み込む。
用件が用件なので、共に行く事が出来るのは自分を含めて11人しか集まらなかったが、全員でユーリアへと会いに行く。
幸い司令室から出てきたユーリアを捕まえる事が出来た。
「どうした? 私はこれから忙しいのであまり時間がないのだが」
「知ってます。地球に向かうんですよね? トロイエ隊11名、ユーリア隊長と共に地球へ向かう事を進言します」
「馬鹿な、これは私の個人的な事情だぞ? それにお前達を付き合わせる事など」
「私達はユーリア隊長率いるトロイエ隊です。ならユーリア隊長のいる場所が私達トロイエ隊のいる場所です」
決意を固めたその目を見た時、ユーリアは説得する事を諦めた。その目は自分がアクセルに会う為に地球へ行くと決め時と同じものだったからだ。
「馬鹿が。好きにしろ。司令から許可は貰ってきてやる。だがあの映像を見た者は分かっているな? 敵は凄腕だぞ」
ユーリアの言葉に全員が一糸乱れぬ所作で敬礼をした。
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