第10話 空気読めよ
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
めた怒りの表情にそっくりらしい。
「はぁ? なんのことですか?」
としらばっくれるが後の祭りで、詠春殿が懐から懐紙に包んだ符と布(オレの使ってたハンカチの一部だった)を使って呪を唱えるとオレに向かって一筋の光が届く。
持ち主を特定する符の術だ。
「みんな探していたんだよ! サギ君」
興奮しているのか、段々声が大きくなっている。
マズイ!
「あぁ、突然済まない。私が誰だかわからないか。私は君の父親のナギ・スプリングフィールドの仲間だったんだ」
オワタ。
ご丁寧にフルネームでバカ親父の名前を出してくれたか。
ほら、宴会場がシーンとなっている。
ちなみにオレの素性は、先生や師匠を通じて上層部には告げてある。なので、パトロールなどの実戦に出始めた頃は子供であることも含めてギクシャクしたが、共に背中を預けて戦うようになり気にされなくなってきたのに………。
しょうがないので「知りません!」と言って宴会場から逃げ出した。
「念」で身体強化し、虚空瞬動まで使って逃げた甲斐あり、とりあえず、その日はどうにかなったが、詠春殿からイギリスに連絡が行ってしまい、祖父から連絡があった。
中部魔術協会を通さず、関西呪術協会から月村家へと直接つなぎがあり、祖父と話し合うしかなかった。
中部魔術協会は「帰りたくない。オレは遠坂暁だ」というオレの意思を確認した上で、この件についての関西呪術協会のつなぎをすべて絶ってくれたのだ。
所属している一人前の符術師兼神鳴流剣士なのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、その分関西呪術協会の対応の悪さが際立つ。詠春殿辺りは、善意で見つかって良かったと言っているんだろうが、個人的にも組織的対応としても最悪である。
で、何度も無駄な協議を重ねて一旦イギリスに行くことになった。
「帰る」ではなく、「行く」としているのは、向こうの考えはともかくこちらとしては、すべての片を付けようと「遺産放棄」「戸籍の移動」などの法的な書類を日英両方とも準備して「行く」からだ。
絶対にこれで関係を絶とう、心に誓った。
そうして、何故か一緒に行くという、タカミチ・T・高畑と言うこれまたバカ親父の仲間に連れられて、中部国際空港を後にした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ