第10話 空気読めよ
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さまの戦いは、その質の高さも相まって決して見飽きることはない。
宗家秘伝の「【弐之太刀】」を何度も見れたのはラッキーである。記憶はできたのでいつかは使えるようになるかもしれない。
ある意味、剣士としては至高の時間は経過し、遂に終わりを迎える。
どうやら勝ったのは本体の方で、分身体は斬られた符に戻る。
「「お疲れ様でした」」
戻ってきた鶴子さまを迎えるとイイ笑顔で満足されているようだ。
「自分の中に(自分に)勝った経験と負けた経験があるわ。これはえぇ修行になるわぁ」
なんと。この発想はなかった。
確かに分身体は均等に別れるので対等な自分との勝負になり、勝っても負けても自分を越えるという得難い経験を得るワケか。
もう一度言おう。この発想はなかった。
「ところで、鶴子さま。本体が負ければシャレにならない大怪我を負うと思うのですが」
「怪我を気にする程度の修行じゃあかんぇ」
なるほど。至言? なのか。
ただ、印可をようやくもらえたレベルのオレがするような修行じゃないか。
こう、剣の道を極めつつある熟練者が己を越えるために行うレベルの修行なワケですね。
決して分身2体で対戦させれば怪我のリスクもなくやれる修行と考えてはならないワケですね。
「「それだ!」」
師匠と鶴子さまの目が輝いてる………。
とまあ、色々オマケもあったが、後は印可を記念しての宴会である。
オレともう1人を除いた3人は既に成人しているので銘酒と名高いお酒も振る舞われての大宴会だ。
出なければ良かったと後悔する羽目になるが………。
お酒は勧められず、高級な料理に舌鼓を打ちながら食べることに専念していると詠春殿から声をかけられる。
端から見てると幾人もに声をかけているが、礼儀正しく相手にされていないのがよくわかる。
まさに慇懃無礼というやつだ。
最年少に近い(最年少は鶴子さまらしい)印可を褒めてくれるが、バカ親父の仲間であり、組織を危うくしている無能なトップと思うとひたすらウザい。
なるほど。みんながああいう態度を取るわけだ。
なんで、こういう席で「東西融和が〜」とか話せるんだろう? もう少し空気読もうゼ。
後から考えるにこの時余程冷ややかな視線をしたらしい。まさに後悔先に立たず。
「君は………」
?
「君はサギ君か?!」
何故バレタし。
「その目、その眼差し。は、いや、ご両親とそっくりだ」
今、母親と言いかけましたか。
後から母を知る幾人かに聞いてわかったのは、どうも怜悧な視線で、クールまたは無表情になると母親であるアリカ・アナルキア・エンテオフュシアの冷
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