推定・戦闘
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・ゼフィルスの最期。
接近戦だけは、不味い。理由は解らないが、常人とは思えないような速度で動く切嗣に加わり、ISを使い物にできなくするジョーカーな弾。その周囲はビームで防衛される。
事実T) 切嗣のISシルバームーンは、その形に反して極めて近接戦闘向きである。
中距離は「加速弾」の致死距離だが、今の所それ以外の武装は確認されていない。反して近接戦闘に於いては、セカンドシフト前とは言え、ラウラを下すほどの力。欲を言えば遠距離戦に持ち込みたいが、そのための武装が無い。無難な中距離戦で長期戦に持ち込む他ない。逆を言えば、中距離はあの弾に注意を払う限りこちらの独壇場だ。
ミドルレンジからサブマシンガンの弾をばら撒く。ISを持たない常人には回避不可能な、そして致命的な一撃。だが、衛宮の口が何かを紡いだ瞬間、その動きがさらに苛烈になる。あろうことか銃弾の中を掻い潜り、こちらに近づいてくる。一発を避け、二発をコンテンダーで撃ち落とし、三発目が穿った大地の破片を身に受け、それでも尚突き進む。石の破片が彼の脇腹を貫き、次の瞬間にはその傷口は治癒していた。
――おかしい。ISを装着しているなら、今のダメージは本来ダメージに成り得ない。しかし、シルバームーンはその攻撃を一旦は受け入れ、無かったことにしている。
まるで、ダメージを負う事を前提にされたように
――馬鹿な。有り得ない。ISの最大の武器はその防御力だ。それが欠如すれば、ISはインフィニット・ストラトスと足り得ない。現代兵器にも勝機を見出せるただの武器に
だが、その事実とは裏腹に、切嗣のISはスコール・ミューゼットに迫っていた。本来の実力を完全に無視して。
中距離に在るときはスコールが狩人となり、その矢を掻い潜った次には切嗣が処刑人になる。究極の鬼ごっこにして、最悪のいたちごっこ。
土砂降りを思わせるような銃弾の雨に切嗣の銃弾が曇天の中心を穿つ。多目的弾が一つ「貫通」爆発力を犠牲にその名を関するに相応しい効果を発揮する。何よりこの弾丸、初速度が異常に早い。その弾丸が腕に当たった。ISの原則は操縦者にダメージを与えない。つまり貫通弾は貫通しない。裏を返せば、そのダメージを貫通することで軽減できない。悪辣なのは、敢えて「貫通」と名付けたところか。
――シールドエネルギーを半分持っていかれたか
「何なんだ、こいつは……」
その武装は当然ながら、今のシルバームーンは非常におかしな形をとっていた。いや、消えていた。
炎の中を駆ける切嗣を見る。その体には、今まで要所についていた最低限のISのフォルムすらが消えていた。見た目、彼は生身でISに応戦しているように見える。だが、それは無いとスコールは否定する。ISに挑むはISで。幾ら目の前の男が異常の塊と
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