第6話 何時になっても思い出は良いもんだ
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してならない。気のせいだと思いたいが恐らく絶対気のせいじゃない。
これ以上ややこしくなる前に手を打たないと更にややこしくなっていくだろう。個人的にそれは嫌であった。
因みに、すっかり忘れ去られていたのだが、定春は近くで一人呑気に昼寝を楽しんでいるのであったりした。
***
「うわぁ……」
目を覚まして第一声がこれであった。ついさっきまで草原の上だったのが今では一変して、一面フローリングの壁に固められた部屋に来ていた。そして、その部屋にある弾力性の高いベットの上でなのはは目を覚ましたのだ。
部屋の装飾や家具類等を見るに結構高そうな部屋だと言うのが分かる。
しかし、何故自分はこんな所で寝ているのだろうか?
確か、あの時草原で謎の化け物に襲われて気を失ったのは覚えているのだがそれ以降は全く記憶にない。
そして、気がつくとこれである。もう訳が分からなかった。
「う〜ん、こう言う時ってどうしたら良いんだろう? とりあえず頬抓ってみようっと」
自分でそう言いながら主室に自分の頬を抓りだす。当然の事ながら痛かった。抓った頬は赤く色づいたし妙に痛さが残った。どうやらこれは夢ではないようだ。
部屋の中にある一枚だけの扉が音を立てて開く。開いた扉と共に現れたのは知らない少女であった。
金髪の長い髪を両方に束ねた感じの髪型をしており特徴的な赤い瞳をしているもの静かそうな少女だった。
「あ、起きたんだね?」
起き上がってるなのはを見て少女は安堵の言葉を言いながらなのはの元に近づいてきた。
が、その少女が間近に来たと言うのになのはは全く反応をしてなかった。と、言うよりも微動だにしてない。
ちょっと心配になってきた。
「えと、大丈夫? 何処か痛むの?」
心配になったのか少女はなのはの様子を伺う為に声を掛ける。すると、突然なのはは目の前の少女の両頬を抓りだした。少女の両頬は意外な程に伸び、それをされた少女は突然の事態に驚きだす。
「いふぁいいふぁい! ふぁにするのぉぉぉ!」
いきなりの事態に対応が出来ず、両手をバタバタさせて涙目になりながら訳の分からない言葉を発していた。
パッとなのはが両手を離す。少女の両頬はなのはの抓った頬と同じ位に赤く変色し、その両頬を痛そうに押えていた。
「う〜ん、痛いって事は此処は君の夢でもないんだね。それじゃ間違いなくこれは現実なんだ。納得納得」
「い、意味が分からないよ。って言うか、夢と現実を判断する方法が凄く古臭いよそれ」
抓られた頬が未だに痛いのかちょっぴり涙ぐみながら少女は言う。が、そんな事を全く気にしてないかの様になのはは一人で頷く始末であった。
「とりあえず、此処が現実だって
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