第6話 何時になっても思い出は良いもんだ
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
った。転移も出来ない、連絡も出来ない。ないない付くしとはこの事を言うのであろう。
しかも、その時空管理局がこちらに気づいて来てくれる可能性は極めて低い。殆ど運任せと言えた。
「おいおい、どうすんだよ。それじゃこのまま家の屋台骨が化け物になっちまうのを黙って見てろって言うのか?」
「いえ、時空管理局はあらゆる世界を管理する組織です。なので、この世界でロストロギア達と戦闘を繰り返せば、向こうも気づいて来てくれるかも知れません」
「なる程な。要するに派手に暴れて向こうに気づかせろって話か。簡単じゃねぇか」
ニヤリとする銀時。それなら簡単な話だ。要は自分達は好き勝手に暴れまわっていれば良いのだから。そうすれば向こうの方が自ずと気付いてこちらに来てくれるかも知れない。
連絡手段も取れない以上その方法が一番妥当とも言える。
ふと、銀時の腰辺りからメロディーが鳴り響いた。内容は某配管工親父のテーマソングにそっくりな音であり。
「ん? こんな時に誰だ」
懐を弄り取り出したのは源外お手製の携帯であった。二つ折り式の型の古い携帯を開くと、其処に映っていたのは平賀源外と言う名前であった。
「じじぃから?」
意外であった。まさかこの携帯は異世界との通話も可能であったとは。驚きながらも銀時は通話ボタンを押し耳元に押し当てる。
「あぁ、もしもしぃ。昇龍件ですか? ラーメン一つ注文したいんですけどぉ……」
【あからさまなボケかましてんじゃねぇよ銀の字】
相変わらずなやりとりであった。とりあえずそう言うのは置いておくとして、まずは状況の把握から取り掛かるべきである。
「しかしこの携帯凄ぇなぁ。まさか異世界でも通話出来ちまうなんてよぉ」
【当たり前だ。何せこの俺が作ったんだぞ。異世界だろうと何処だろうと通話は可能だ。しかしどうやら運が良いな】
「運が良い? 何だ、尻の拭きが足んなかったのか? 耄碌したかぁ?」
【ほっとけ! そっちの「うん」じゃねぇよ】
毎度のボケとツッコミを織り交ぜながらも会話は続いていた。
【とりあえずお前等が今居るのは俺達の住んでる江戸とかなり似ている世界だ。無論、文化やその他諸々とか多少違いはあるみたいだが、幸いこっちとの時差はそれほどないみたいだ。これなら帰れなくなるって言う危険性はないな】
「そうかい、そりゃ何よりだぜ」
どうやら最初に懸念していた時差の問題はないようだ。その点は聞けてホッとする。だが、問題は此処からであった。
【だがなぁ、悪い情報もあるんだよ】
「何だよ藪から棒に。まさか転移装置がぶっ壊れちまったのか?」
【嫌、装置の修理は順調だ。お前等をこっちに戻す処置は後せいぜい1週間もすりゃ出来る。だが、問題は其処じゃねぇ。銀
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ