第6話 何時になっても思い出は良いもんだ
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て金銭管理が全然駄目だから、私がしっかりしてないと駄目なんだよねぇ。だって稼いだお金もすぐにギャンブルや甘い物につぎ込んじゃうんだし、そのお陰で何度家賃の支払いに苦労した事か分からない位だよ」
(な、なのはのお父さんって其処まで酷い親だったんだぁ)
話を聞いていく内、フェイトの脳内でなのはの父親の図式が出来上がって言った。
まず、なのはの父親は基本的に駄目人間であり、金銭管理がまるで駄目であり、ギャンブル狂の甘党だと言うのが分かった。
(あ、アルフ……なのはのお父さんってもしかして)
(うん、前に見たドラマみたいな奴だったりして……)
なのはが語り続ける横でアルフとフェイトがひそひそと耳打ちしあっていた。
二人の脳内ではかなり酷い内容が映し出されていたようだ。
『おらぁ! 酒が切れたぞぉぉ! 後糖分も切れたから何か持って来いやゴラァ!』
一人、居間で暴れ回るなのはの父親。万事屋と言う仕事をしているが仕事がない日は一日中呑んだぐれている。
そして、一人で家事、炊事を担当するなのははそんな父親に大層苦労を掛けられていたと言うそうであり。
『お父さん、もう家にはお酒も甘い物も買うお金なんかないよぉ』
『んだとぉゴラァ! 人が苦労して稼いでるんだ。ない筈ねぇだろうが!』
『お父さんが仕事したの半年も前だよ! それにあの時の仕事代だってお父さんがパチンコで全部擦っちゃったじゃない!』
『バッキャロウ! あれはパチンコが悪いんでぃ! 俺は悪くねぇ!』
無茶苦茶な言い分であった。父が仕事をしたのは実に半年も前の事。それ以降は娘のなのはが必死に切り盛りをしながら出来る限りのアルバイトをして生計を立てていたのだ。
しかし、それももう限界に差し掛かっていた。幼い子供に出来る仕事は限られている。それに対し父の要求する額は日増しに増大していく一方である。
遂にはなのはの一日の稼ぎを余裕で振り切る額にいなってしまったのは言うまでもない事であり。
『大体てめぇの稼ぎが悪いから俺が苦労するんだろうが! もっとジャンジャン稼ぎやがれ! でねぇとてめぇを質に入れちまうぞぉ!』
『うぅ……何時まで続くの? こんな苦しい暮らし』
暴れ狂う父の影で一人さめざめと涙を流しながらもなのはは懸命に働き続けるのであった。
そんな感じの勝手な妄想をしていたフェイトとアルフ。すると、二人の脳裏に沸々と怒りが込み上げてきていた。
(アルフ、私なのはのお父さんって人許せないよ。確かになのはは何処かフリーダムだし掴み所がない子かも知れないけど良い子だよ。そんな子を自分の道楽の為に犠牲にするなんて、私許せない)
(私も同感だね。今度その親父を見つけたらギャフンと言わせなくちゃね)
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