番外編
青騎士伝説 後編
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「……ソラじゃないから、わかんない」
「……はぁ〜……そッスよね……」
「……でも、あの子達は、「ありがとう」って言ってた。命を懸けて私達を助けてくれて、ありがとうって。私も、そう思う。そんなこと言われるなんて、ちょっとヒーローみたいで……まるで、ソラみたいだった」
ベットに腰掛けた自分の方を見すらせずにコーヒーを啜りながら言うレミのそのセリフは、一体どこまでが本当でどこまでが本気でどこからが自分を励ますための誇張なのか全く判断が付かない。結構な付き合いだが、相変わらず彼女の内面は読めない。恐らく自分には一生分からないだろう。
しかし。
「……ファーは? どうだったの? そう言われて」
その質問には、滑らかに答えられた。
「嬉しかった、ッス。……オイラ、出来たッス。自分の力で、皆を守れたッス。……オイラは、守れるんス。……だから、今度あの日みたいなことがあったら、今度はオイラ、迷わず残れるッス。……あの日みたいなことは、絶対にくりかえさないんス」
自分は、負けない。
相手にも、自分自身にも。
そういって、昔の様にはにかんだ笑みを、自分は自然に浮かべられた。
もういつ以来か分からない、心の底からの頬笑み。
それを見たレミの無表情が、少し笑ったように見えたのは、気のせいだったのか。
ギルドホームには、二人。もう一人は、今はどうしているだろう。
いいや。心配はいらない。
(シドさんは、オイラなんかより何倍もすごいッス。絶対、絶対帰ってくるッスよ)
心の中で大きくうなずく。きっとそれは、レミも同じ思いのはずだ。
久々のギルドホームから見上げた空は高く、よく澄み渡っていた。
それはもう十一月、アインクラッドがクリアされる僅か数日前のことだった。
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