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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十一話
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死人は出したくないのでな」
「へぇ、答えられないようなことしてんだな。でもこっちも任務中でよ。お前らの方こそ引いたらどうだ?」

 そういって笑みを浮かべながら腕を組んで立ちふさがるのはフレディだった。おそらく彼らが、グロウルがキャッチした「きな臭い奴ら」なのだろう。

「……貴様、何者だ?」
「いいのか?そいつを聞いたらただじゃすまねぇぞ?」
「この身は既に幾度となく滅んだ。帰る郷もありはしない今、いつ死んだとて後悔はない。今の我が求むるは、血湧き肉踊る輪舞のみ」

 そうは言うが、実際今の彼に殺意はない。緊張感は走っているものの、それは彼らがこの場をどう逃げ切るか、ということだろう。

「ふうん……少しは『こっち』に近い奴なのかね。ならこっちも無理には聞かねぇ。聞いたところで答えるとも思えねぇしな。まぁそれを置いとくとしたら、こっちが聞きたいのは一つだけだ」
「大体予想はつくが、わざわざこちらがそれに答えるとでも?」

 即答で叩き返され、フレディは肩をすくめて苦笑を漏らす。

「……ま、普通はそうだよな」
「なら、無駄な質問はやめることだ」
「それもそうか。ならもう何も聞かねぇ。ただし……」

 最初から言うことを聞かないことなど想定済みだったようで、自らの拳同士を叩きつけ、乾いた音を周囲へと響かせると、そのまま臨戦態勢に入る。

「こっちに来てから全くこんな荒事なかったからなぁ。ちょっとしたスパーリングにでも付き合ってもらおうか」
「すまないが、こちらには時間がないのでな。貴様の遊びには付き合っていられん」
「なら無理やり巻き込むまでよ!」

 フレディはその言葉と同時に拳を握り込んで駆け出す。すると男は謎の呪文を唱えると魔法陣を展開した。

「やむなしか……―――――――――」
「何ッ!?逃がすか!」
「さらばだ、血気盛んな青年よ」

 フレディのダッシュも一歩間に合わず、そのまま二人共光に包まれて消えていった。

「……おいグロウル、どこいったか探せ。」
「わかってるよ旦那。しかしこれまた時間がかかりそうだぜ……」
「このまま逃げられたなんてあっちゃあクライアントに何言われるかわからんし、俺のプライドが許さん」
「旦那にプライドなんてあったのかよ」
「風評通りの結果を持ち帰ってこその今の俺だからな」
「それプライドってよりプロ意識って奴じゃねぇのかい?」
「どっちでもいいよ」

 そしてフレディは嘆息し、元いたところへと戻っていく。

「とりあえず、翠屋まで戻るか。ブツをリンディに預けたままだったし……あ、そういや酒切れてたな。また買ってくか」
「こっち来てからどんだけ飲んでんだよ」
「酒と女を買うために金はあるんだよ」
「相変わらずだな。しかしカッコつ
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